ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

続・DH制のこと

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投手の負担軽減、っていう観点なら納得できる話ではあるけど…

第三に、我々はお客様にプロならではの試合を提供する責務があります。セ・リーグでは、点差によって投手がバッターボックスの後方に立ってバットを振らない、または空振りする場面が見受けられますが、プロスポーツとして本来許されるものではないと考えます

バッターボックスの後方で適当に三振する投手が増えたってあーた……そういう作戦を取ってるのは現場であって、その点をどうにかしたいってんなら全体のルールを変えるのではなく、まず最低でも自分とこのチームに、その辺どうにかしろよって言うのが普通でしょうよ。実はもう既に口を酸っぱくして言ってあって、今も尚巨人の投手は皆常に全力でバッターボックスに立って打者の役割を果たしていて、他の5球団がダメすぎてどうしようもねぇ、みたいなニュアンスで仰っているのであれば申し訳ない。違うと思いますが。

投手の打撃力が近年低下したのは、社会人野球、大学野球にDH制が広く定着したことが背景にあると思われます。社会人野球では1988年以降(社会人野球日本選手権大会など)、大学野球では1994年以降(東都大学リーグなど)DH制が採用され、DH制を採っていない大学野球は今や東京六大学関西学生野球のみです。

投手の打撃力が低下したのはDH制のせい?そりゃ、ルール的に必要ないなら熱心に練習しなくなるだろうから、打撃力低下するのは当然でしょう。
逆に言えば、DH制がない東京六大学は、投手が打線の一員として機能すべきというところがあるから、ちゃんと練習してて、かつ投手ながらなかなかの打撃力を持つ選手が割かし生まれてるんじゃないのかな。昔、投手を3人打線に組み込んでたチームもあったしな!
あと関西学生野球のことは詳しくないので、どなたか補足頼みます(丸投げ)

それから、同じくDH制を採用してない高校野球について触れてないけど、その辺はどう思ってるのかしら。


DH制の導入に断固反対するわけではないけど、これだとなんか首を傾げたくなっちゃうんですよ。
というか、第一の項の投手の負担軽減の件はちゃんと数字も挙げてたから、すごい納得したんスよね。検証がてら1シーズンぐらい採用してみてもいいんじゃないかと思ったぐらい。これを深く掘り下げて主張して、余計なことを言わない方がよかったんじゃないの、という感じ。特に第三の項の辺りは、やっぱり何らこじつけてDH制にしたいんじゃないか、という意図がすごい見える感じがして、アレです。


あとねぇ、DH制があると野手の出場機会が増えるよ、というのはちょっと違うんじゃないかなぁ。「一人でも多くの野手に」って言ってるけど、まじで一人にしか与えられない危険性も持ってそうな気もする。
大学だと私は首都をよく見ているので、その辺の試合運びを顧みると、どのチームの監督さんも勝つために采配を振るいつつ、同時に色々な選手に出場機会を与えられるよう、かなり考えた起用をしてるんだなと感じるところがあります。この辺は何も首都の監督だからとかではなく、他の大学でも、プロの監督でも、どこでもそうだと思います。
それがDH制を導入すると解決するよ、ってニュアンスで言われると…うーんってなっちゃうよなぁ。プロには教育リーグとかあるけど、大学もマチュアカップとかフューチャーズリーグみたいに、普段のリーグ戦に加えて試合を新たに設ける取り組みをしてたりするからね。それを考えると、野手の出場機会というのはDH制によってまかなえるものではなくて、結局何かしらの工夫や取り組みで試合そのものをひねり出すか、頑張って采配を考えるしかないんじゃないかなぁと思うのです。大学はプロに比べて一チームの選手の母数が違うところもあるから、引き合いに出すのはちょっと違うかもしれないけどね。
ちなみに、DH制を導入すると逆に野手の出場機会が減るかもよ、ってのはかの真弓明信氏も仰っていたのですが、ソースを失念しました(日刊スポーツのサイトで見た気がする)