楽天時代、予告先発で名前が出ると、ばらばらになっていた町の人々が応援に集った。「球場で久々に会う、てことが結構あったらしくて。よかったなあと。そんな機会をもっと増やしたかったけど、厳しかったですね。プロの世界は」。
震災があってから何年かの間って、横山さんのような福島出身の選手や、東北の社会人野球の選手が割と指名されていたと記憶しています。
それの意図って、ある意味こういうことを実現させるためだったのではないかと思ったんですが、違ったんですかね。
色んな人がよく口にした、勇気を与えるとか、希望を与えるとかいうのは、そういうことなのではないのですかね。私の勘違いだったら、誰か教えてください。
私は当時、直接被災した人間ではない。
ただ、福島出身であるので、どうしても思うところが出てきます。
勿論プロの世界なので、いざプロの実戦に投入して見たらアマ時代に見たのとなんか違ったわ、みたいなことは当然起こりえると思いますが(こういう時って基本的に選手の実力不足というより、プロのスカウトの見る目なさすぎだろと思っているのですが)、非常に残酷なことだと、個人的には思っています。
何が被災地に勇気を与えるだ、そのチームは全然出場機会をくれないじゃないか。
ずっとそう、思っていました。
これが怪我とかが原因だったら、しょうがないと思えたかもしれませんが。
楽天の他にも、あの時代に東北の出身だったり、その界隈のチームで活躍していた選手を指名していたところはいくつかあったと思います。
勿論、指名された選手は全員、良い選手だったと思います(プロレベルか否かはわかんないけど)
そして実際、長い期間ではなかったかもしれないけど活躍した選手も、いないことはなかったと思います。
が、どうしても、そういう選手を指名しておいて大してチャンスをくれなかったというのは、期待させるだけさせておいて……と思ってしまいます。まぁ、そっちが勝手に期待してただけじゃねーか、とか言われたらそれまでですが。
だから、あの時代ら辺のドラフトを振り返った時、どこもかしこも被災地ビジネスがしたかったんだろうな、とひねくれた見方をしています。
被災地出身だから、東北に関係しているからって実力無視でむやみやたらに贔屓起用したら批判されるんだろうけどさ。
ニュースを見ていると、被災当時は子どもだったけど、成長してプロに入った選手が何人かいるようですね。
それは大方、私が疑っているビジネスではなくて、純粋に実力で指名されたのだと思っています。
そんな彼らは、そういう存在になれるんだろうか。
とかなんとか思ったりしたけど、あれからもう10年経っちまったからね。