ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

6/7 第71回全日本大学野球選手権大会・1回戦(東京ドーム側・1/2)


詳しいデータはリンクしておくので、ざっくり感想だけ書きます。
長くなったので2つに分けます…
後編はこちらです。
bladecatcher.hatenadiary.jp

  • 全体的に

いつの間にか東京ドームがリニューアルしていたのですね。なんですけど…

この電光掲示板見づらくない?私だけ?
最近プロの球場でこういう、全面LED(っていうの?)みたいな電光掲示板って多くなってる気がしますが、なんか私の目と相性が悪いのかなぁ?電光掲示板はあくまで電光掲示板であって、テレビみたいな感じにされると違和感がある気がしてならないのです。
それはさておき、あまり全日本って観に行ったことがないのでアレなんですが、大会からのお達しで太鼓NGなのはわかるんですが、スピーカーとかそういうのも禁止なんですかね?少なくとも私が今日見たチームはブラバンとかそういう類のものもいなかったので、応援が全くない状態となりました。大学野球の全国大会といえば、普段見られないチームのスタンドがどんなパフォーマンスをするのかが楽しみな面もありますので、ちょっと残念……ブラバンはないところも多いのでともかく、声と太鼓を封じられたらね、しょうがないね。
ところで、私がいた側の席では大声禁止はあんまり守られていませんでした。試合開始直後1回から球場スタッフに注意を受けている人もいて苦笑いです。
ルールの是非や良し悪しは観客側がジャッジすることではない。「やめてね」って言われてることなんだから、皆素直に守ろうな。驚きで声が出てしまうのは脊髄反射だと思うのでしょうがないと思うけど、選手を罵倒するのは悪意のある大声だよな。マチュアでプロと同じノリで野次飛ばすやつほんときらい。こういうのが嫌いだから、プロではなくアマチュアを観に来ているのに。

おっと、千葉経済大の先発は高坂君ではないのか。というわけで、先発は髙橋君でした。現在3年生で、リーグ戦での投球イニング数を見るに、高坂君に次ぐピッチャーなのではないかと思ったのですが、防御率6.98という数字が何となく不安を煽ります。
しかし実際のところは、あの防御率は何だったのかと思うぐらい、割とちゃんと投げてたというか、あまり危なっかしい感じはしなかったな。4回・5回は野手のエラーの足を引っ張られたり、ちょっと近大工学部打線に捉えられつつあるかなという感じもあったけど、リーグ戦の数字が示すほど悪い印象はなかったです。

なので、6回から高坂君を投入して、点差が狭まったところを逃げ切りたい、という意図はよくわかったのですが、これが完全に裏目に出まして……先頭の平石君は打ち取ったけど、とにかくこの6回の投球はコントロールがバラついていて、どう見ても本調子ではないなという感じ。いくらチームのエースとはいえ、高坂君も全国大会の舞台は初めてだろうし、さすがに力入っちゃったかな。だってあの高坂君が、2アウト一三塁から暴投→すないぽ→ほあ→暴投→ほあ→ほあ(押し出し)→というのは、ちょっとあり得ないですよ…どうしてこうなった。
って考えると、今日の近大工学部の得点って、ほとんど千葉経済大のミスのおかげで入ったようなもんなんだよな。6回は3点ゲットしたけどヒット1本しか出てないし、その前の5回もタイムリーエラーと杉本君のタイムリーツーベースだからな。天井に潜むドームの魔物に襲われなかったのは幸いだけど、場慣れしてないというか、いつものポテンシャルを発揮できてないなと思うプレーが多かったと思います。
一方近大工学部ですが、先発の沖田君が非常に良かった。

確かに3回・4回と長打を食らって失点していますが、終始コントロールも安定していましたし、本当にそれだけでした。今日の試合はほぼ千葉経済大の自滅なので、それで助かったというのもあると思いますが……
でも沖田君って、パンフ情報によると今季のリーグ戦1試合も登板してないんですね。今年の大学野球の春展望号によると「昨年は先発とリリーフとフル回転」みたいなことが書かれていたので、本当はエース級なんだけど何らかの事情で今季のリーグ戦は全休、しかし全日本には間に合った、みたいな感じなのかなと思いました。故障だったのかな?あまりそれを感じさせない投球だったと思うので、もう万全なんじゃないかと思います。今日も108球しか投げてないしね(首都基準)
ちなみに沖田君は現在3年生らしいので、まだまだ見れますね。まだ見るリストに入れておこう。あ、そうそう。今の近大工学部の監督さんって、前JR西日本の監督をされていた花本さんなんですね。今はこちらでご活躍されているようです。相変わらず目力強いっすね…(爆)


…あっ、また出しどころを見失った写真が出てきてしまった(爆)ここに貼っときます…
これは、3回裏に先制のタイムリスリーベースを打った宇津澤君。

んで、直後に追撃のタイムリーツーベースを放った森君。

素晴らしい投手戦でした。
天理大の先発・真城君は割とよくあるオーバーハンドのピッチャー。

対する松本君は、サイド~アンダーハンドの、所謂クォータースロータイプの変則的なフォームでそこから140km半ば~後半ぐらいの球を投げる、この選手とニュアンスがよく似ているピッチャーだと思います。

写真もドームだから上手く撮れなかった…次は屋外で綺麗に撮りたい(屋内苦手)
何かの記事で、林昌勇を参考にフォームを固めたみたいなのを読みましたが……要はね、俺の好きなやつです(率直)
さらに投球動作に入る時に……何ていうのかな、1度スキップするように踵が浮いて、軸足がちょっとだけ跳ねる…ように見えるような、かなり変わった二段モーション風のフォームでもあります。あのね、言葉で説明するのがすごい難しいピッチャーなので、とりあえずどっかで動画見てきてください(投げやり)
で、真城君も松本君も、投球数もほぼ同じペースで投げていくから、完全に互角だったんですよ。どちらが多くランナーを出したとかピンチの数とか、有利・不利も特になく、終盤まで全く試合が動かなかったので、展開が読めませんでした。
そんな中で、7回表に天理大が岩本君のライトオーバーなツーベースで1点を先制し、ついに均衡が破れます。


主将の一打は大きいね。
この回は先頭バッターの中川君がヒットで出塁したのですが、実はこれ、松本君がこの試合初めて先頭バッターを出塁させた場面でもあったんですね。先頭バッターが出塁すると何とやら、とは野球でよく言われることですが……松本君は8回にも先頭バッターを出塁させて、2アウト一二塁から、またも回ってきた中川君にヒットを打たれて、あわや失点という場面になったんですよ。結果は、ホームへの返球が良かったおかげでランナーをタッチアウトにできて、何とか無失点に凌げたのですが。
そして直後の8回裏。今度は真城君が先頭バッターの多和田君をヒットで出塁させまして、これもまた、真城君にとって初めての先頭バッターに出塁を許した場面でもありました。って、8回まで先頭バッターに出塁を許さないって、大分すごいことだと思います。で、小林君に内野安打を許し……この内野安打って、ちょっとセーフティ気味のバントだったように見えました。小林君も俊足で、多和田君はスタートを切っていたのかな?それでどこにも投げられず、という状況でオールセーフになったのでした。ここで真城君が降板して、代わった本間君が伊藤君に3ランを被弾したわけでして……いやはや、ドラマティックでしたね。ちょっと本間君のコントロールが怪しそうに見えたのですが、ノーツ―となって、ちょっと1個ストライク取って一呼吸置きたいなーって思ったであろうところを振り抜かれた…という感じかな。

写真で見てもすごいスイングだな。結構高めにいっちゃったっぽく見えるな。
野球は○○のスポーツとかよう言われますけど、その中の1つとしてこう言えると思うのですが…刹那的なスポーツですよね。ほんの一瞬の隙で、展開も形勢もガラッと変わる。
試合はそのまま名城大が逆転勝ちしたというわけですが、野球の面白さを濃縮した試合だったと思います。勝ちは名城大についたけど、名城大も天理大も、どちらも素晴らしいチームでした。天理大は以前見た時と同じくあと一歩のところで勝利を掴み損ねるという辛いシーンに遭遇してしまいましたが……この時から世代はガラッと変わったと思うけど、でも変わらず良いチームなんですよ。今度は彼らが喜ぶシーンに巡り合いたいね。