ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

AIによる完全無⼈野球中継システム

AI分野は門外漢だけど、野球好きとして、IT技術者として、非常に気になった記事。
mainichi.jp
nttsportict.co.jp
1試合しか見れていないけど(飛ばし飛ばしで見たら雨天ノーゲームになったっぽいですが)、ざっくりとした感想を。
一言で言うと「淡々と試合を見る分には問題ない動きをしている」と思います。

  • 基本的に投手の後ろからの角度(野球中継でよく見る視点)から映し、打者が打つと視点が真上から、グラウンド全体を見下ろすような位置からの視点に切り替わる。内野ゴロであれば、真上から野手の動き・打球の行方を追う感じ。一般的な中継だと、こういう時は捕球した野手にフォーカスされることが多いが、そういうのではないですね(ここまで再現するにはカメラの台数がもっと必要になるんじゃないかな)なので一瞬「おや?」と思うけど、中継としておかしな角度・シーンの切り替わりはなかったな。
  • 三振やフォアボールの時、それと3アウトを取って守備が入れ替わる時も、真上からの視点に切り替わる。で、投手がマウンドに上がると、やや投手にズームした映像になる。打者がバッターボックスに入ると、投手の後ろからの視点に切り替わる。これは人の位置で判断してるのかな。この辺に人間がいたらこの角度で映すって。
  • 「画面右下にはイニングのスコアや投球の球速が自動で表示された。」って記事にあるけど、これただ電光掲示板を常時右下に映しているやつのことを指してるんですかね……これ自体は別に目新しい技術ではないな。電光掲示板全体ではないけど、一時期首都の中継で、電光掲示板の球速表示を同時に映してていたので。
  • 「打者が外野にフライを打った瞬間、飛んだボールをカメラが追いかけられず、画面を見ていても本塁打かファールフライか、捕球か安打かをすぐに判別できなかった」とあるけど、このカメラは打球を追って動くことができるのかな。見た感じ、カメラが映せているゾーンの外に打球が行っちゃうともうダメって感じだったので、このような文章が書かれたのではないかと思う。「すぐに判別できなかった」どころか、映像だけでは打球の行方が全く分からなくなってしまうので、「すぐに」とかなしに判別できないと思うぞ。ファールじゃね?という「推測」はできるが、「推測」だけで「判断」してはいけない。ボールが最終的にどこに着地したか、それがちゃんとわかるようにしないとな。
  • 野球のボールはかなり小さいので、AIがどこまで打球を判断できるのかわからないけど……設備増強とどっちが安いかわからないけど、ファールゾーンを映せる位置にもカメラがあったほうがいい気がするな。アマチュアではないけど、それができたらリプレー検証にも使えるよな。
  • あとこれは完全に個人の趣味ですが、例えばよくある野球中継だと、打点をあげた選手にフォーカスが当たって、嬉しそうな選手の表情はガッツポーズを見たりして、我々は喜びますが(主語が大きい)、これはそれがないです。「選手の動きをAIが検知して自動で映像をズームアップさせたり」とあるけど、これは前述した投手がマウンドに上がった際の動きのことを指してるんじゃないかと思う。進塁の時は真上からの視点に切り替わって、選手たちが駒のようにダイヤモンドを回っていく。何となく野球ゲームを見ているような感じがしました。いや野球ゲームを見てるんだよ俺は(爆)でも「私が見たいのってこれじゃないんだよな」という気持ちも正直あるんですよ。
  • この試みはまだそこまで至っているものではないと思うのですが。「打点をあげた打者を追いかけてズームする」みたいな動きは、頑張ればできそうな気はするな。