ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

やまもとのこと

baseballking.jp
こんなところでやまもとの名前を再び見ることになろうとは…!プロでは無名の人とばかり思っていたけど、そういうことがあったのか。
そしてやまもとを語る上で肝要であろう、日立が準優勝した都市対抗の87回大会のことにも触れている。

初戦を延長タイブレークの逆転サヨナラ勝ちという劇的な形で勝ち上がると、勢いに乗ったチームは3連勝。迎えた準決勝、相手は山岡泰輔(現・オリックス)擁する東京ガス。この試合に先発した山本は、その年の秋にドラフト1位指名を受けてプロ入りする注目右腕に対し、全く引けを取らない投球を展開。7回無失点の快投で、チームを初の決勝進出へと導いてみせたのだ。

そう。その通りでね、この試合のやまもとは本当に素晴らしくて、当時の自分のレポでも、

それよりも、この試合のヒーローインタビューのやまもとがアツかった。自分から今日の試合の先発を志願したらしいけど、普通の社会人野球選手でもそんなことできる選手はそういないと思う。きっとこの1試合に、自分の野球人生を賭けたんじゃないかと思った。プロでスポットライトが当たらなかった野球選手の真の執念ってこれだろうか。ここまでのものを見せてくれた元プロのピッチャーは、私の記憶にはない。
だから……都市対抗が終わった今だから言うけど、正直久慈賞はやまもとに受賞してほしかったなぁ。

という感想を残しているぐらい、やまもとは良かった。あと私の記憶では、このヒーローインタビューで「100点満点のピッチングだったんじゃないですか?」的なことをインタビュアーに聞かれていて、普通だったら「自分でも納得のピッチングです」とか、そういう感じのコメントを返す選手が多いんじゃないかと思うのだけど、でもやまもとは「今日のピッチングで満足していません」的なことを答えていてね、この選手は見ている先が違うんだなぁと感じたりもしました。


ちなみに…この時の試合のスコアって、毎日新聞から見るのが一番手っ取り早いと思うんだけど、
mainichi.jp
「この試合に先発した山本は、その年の秋にドラフト1位指名を受けてプロ入りする注目右腕に対し、全く引けを取らない投球を展開」とか記事に書いてあるけど、やまもとは先発して7回まで投げ切って降板、東京ガス側はこの時宮谷君が先発して、宮谷君は6回まで投げていて、山岡君の登板は7回から。だから、この試合ではやまもとと山岡君が投げ合ったのは実質1イニングだけで、ガッツリ直接対決をしたとか、そういうのではないのですよね。
なんかね、この記事を最初に読んだ時に「山岡君とタイマンして超頑張った」みたいな文章に感じて、あれ?と思ったので、いちおー。


それはさておき、プロ初先発時に「初先発、正直きつかったです…」なんて言っていた選手が、その4年後にちょっと世界は違えど大舞台の先発を志願し、大仕事を成し遂げるほど責任感が強く、それだけで満足しない貪欲なピッチャーになったんだと思うと、改めて感慨深いものがあるかもしれません。
年齢とか、チーム方針とか色々あったと思いますが、今でもやまもとはもう少し長く見ていたかったと思わせてくれる、元プロの社会人野球選手でした。