ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

5/30 第87回都市対抗野球大会東京都二次予選・第1代表決定戦 鷺宮製作所vsJR東日本【公式戦】

あの日ほど、野球を見ることが嫌になった日はなかった。
※この試合のレポは客観的な観戦内容の記録ではありません。単なる主観的な感想です。
スタメンはこちら。

<先攻・鷺宮製作所
1(二)渡辺侑
2(右)秦
3(三)芦川
4(指)村上
5(一)橋本
6(遊)中山
7(中)津久井
8(捕)長澤
9(左)吉濱
(投)西村
<後攻・JR東日本
1(右)岩澤
2(遊)東條航
3(一)丸子
4(左)松本
5(指)畑中
6(三)國松
7(二)嘉数
8(捕)石川
9(中)佐々木
(投)田嶋

私はアマチュア野球を観るにあたって、基本的には「どちらのチームが勝っても負けてもよい。試合の内容が面白ければそれでいい」と思っている。結果よりプロセスというやつである。
ただ、この日と5月28日の試合は違った。完全に特定のチームが勝つのを目撃することを狙っていた。
このブログを長らく読んでくださっている方ならば大方察しがつくかもしれないが、28日は明治安田生命の、30日は鷺宮製作所の勝利を観に行ったつもりだった。JR東日本NTT東日本(もっと言えば東京ガスも)が勝ったら、社会人野球を齧っている者ならば誰もが想像に容易い、普通のシナリオでつまらないからである。
この日の試合の内容は極めて互角、西村君と田嶋君の投手戦だった。
試合の均衡は6回表に先頭バッターの渡辺侑也君がスリーベースで出塁し、芦川さんがきっちりスクイズを決め、鷺宮が1点を先制したことで崩れた。
この日の鷺宮は、田嶋君を全くと言っていいほど捉えることができていなくて、この日の試合はこの1点を9回が終わるまで守りきるしかない。スタンドから見ている私はその一本道のシナリオしか考えていなかった。
しかし7回裏に代打の長谷川君にタイムリーを打たれ、8回裏には畑中君のタイムリーツーベースで勝ち越され、さらに國松君のショートゴロの間にもう1点を入れられて追加点を許した。7回からは鷺宮は継投策に入っていた。
9回表、鷺宮は1アウト満塁のチャンスを作るも、ゴロの間に1点をもぎ取るのが精一杯だった。この時のJR東日本のピッチャーは片山さんだった。だから仕方ないと言えるかもしれない。しかし2アウト目を取ったところで片山さんは降板し、板東君に交代した。
この時私は「ナメられた」という印象を持った。自分が見た限り、板東君はJABA京都大会で良いピッチングの内容を残しており、こういった場面に起用されても不思議ではなかったと思う。そして片山さんはいつぞや、「都市対抗二次予選の代表決定戦で投げた時がしんどかった」と語っていた(確か、この試合のことを振り返っての発言だったと思う)し、JR東日本としても、いつかは片山さんに代わる信頼度の高いリリーバーを育てなければいけないことは承知している。
それにしても…それにしてもだ。いっそ片山さんに残りのアウトを奪われたほうが清々しい気持ちで帰れたのに。片山さんが出てきたんじゃあ、しょうがないなと思えたのに。当時相当ショックだったんだろう、この日の最後のバッターだった、代打の岡田君の打席の結果が、私の記録しているノートには書かれていない。内容も思い出せない。
さらに欲深い私はその時、鷺宮が第1代表の切符を手に入れ、メンバーがベンチを飛び出し喜ぶ瞬間を撮影しようと目論んでいた。つまり、敢えてJR東日本側のスタンドに潜んでいた。
そんなところにいるんだから当たり前だが、JR東日本の勝利が決まった瞬間、周りから一斉に歓喜の声が上がった。私一人だけが、惨めな気持ちになりながらそこに座っていたと思う。
…すごい言い訳ですが、いつも神宮での都市対抗二次予選の試合を観る時に座っている席が、両スタンドとも応援団によって陣取られていたため、座ることができませんでした。私のいつもの席は、どうやらセガサミー側だと空いているスペースのようです。それを現地に着いてから知ってオロオロして、適当に座った結果、JR東日本ファンのど真ん中の位置になってしまったんだけれども。
まぁ第1代表はダメだったけど、第2…最悪第3代表の切符を手にできれば、こんな話はネタにできるよね、と思ったけれどもダメだった。鷺宮は第2代表の切符も、第3代表の切符も獲れずに予選落ちした。
何故だ。神宮に来るまであんなに勢いがあったチームが三段落ちするなんて。
理由はパッと思いつくだけでも3つか4つぐらい挙がると思うけど、挙がったところで鷺宮は東京ドームに行くことはできない。そのショックは相当なものだったようで、レポを書かなきゃ、書かなきゃと思いながら今日まで放置していた。
さらに言うと、実は5月20日プロレスリング・ノアの試合を観に行っていた。この試合が、私の人生における初めてのプロレス生観戦だった。そしてこれが、物凄く面白かった。良い意味で裏切られた結果だからというのもある。
このプロレスと野球における興奮の落差を体感してしまって、私は「何で野球はこんないつもの結果にばかり落ち着いてしまうんだろう」と思わずにはいられなかった。もし私がJR東日本のファンであったなら、そうは思わなかったんだろうけど。
これがJABA大会とか、関東選抜リーグのようなちょっとした地方大会だったら、多分何とも思わなかったと思うし、「いつもの」で終わらせたと思う。でも、この日観た試合は都市対抗の予選、いわば「季節の変わり目となる大会」と言えよう。明治安田生命鷺宮製作所の、都市対抗本戦への出場を目指す戦いは、この日を以って終わってしまった(鷺宮は第3代表まで頑張ったけど)
それで今年の夏が終わったような気がして、何だか力が抜けてしまった。
あれ以来、野球よりもプロレスに傾くようになったのは、この試合が一番のきっかけだと思う。レポこそ都市対抗本戦とのハシゴや実生活でメンタルをやられていたこともあって、全く書けていないけども、7月はかなりプロレス観戦も重ねていた。
だからといって、野球熱がなくなったわけではない…と思いたい。
ところで今日、ある人に「野球とプロレスどっちが好きなの?」と聞かれて、野球と即答することができなかった。ちょっとだけプロレス、と言いそうになったけれども「季節によりますねぇ」と言葉を濁した。これが、この記事を書こうと思ったきっかけである。
もうすぐ、というか既に来ているのかもしれないけれども、野球ファンにとって寒い冬が来る。そんな中で私は毎日、各プロレス団体のスケジュールを漁っている。

<本日の投手リレー>
鷺宮製作所:西村(6回)‐野口(1回)‐齋藤(1回)
JR東日本:田嶋(8回・1/3)‐進藤(0/3回)‐片山(1/3回)‐板東(1/3回)