ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

4/5 第68回JABA静岡大会 東京ガスvsエナジック【公式戦】

昔、エナジックを1度だけ見たことがあるんです。確かこの試合だと思うんですが……この時は第3試合だけを目当てに来ていたので、ちょっと早く着いたのでちょっとだけ見たって感じですね。
なので実質、エナジックは今日の試合が初観戦となるでしょうか。あれをカウントしたとしてももう7年前になるけどね。


スタメンはこちら。

<先攻・東京ガス
1(三)石川
2(右)冨岡
3(中)楠
4(指)地引
5(捕)加藤
6(左)笹川
7(遊)北本
8(二)鈴木
9(一)山口
(投)稲葉
<後攻・エナジック>
1(右)田中
2(二)大城旭
3(左)古堅
4(捕)大原
5(指)田尾
6(一)福元
7(三)慶田盛
8(中)大城幸
9(遊)小浜
(投)川邉

  • 初めに

突然「そういえば今年東京ガス見るの初めてだから左袖見なきゃ」と思い出し、たまたまそこにいた加藤君を撮影したもの。
ちゃんと黒獅子がいてます。

  • で、試合

東京ガスの先発・稲葉君。

社会人野球では多分かなり珍しい、琉球大学のご出身。琉球大自体もレアだけど、国立大出身ってのもまたレアだと思うんだ。時々国立大出身の選手に対して、国立なのにすごいみたいなコメントを見たりするけど、いつも筑波大とかいう国立大の選手を見ている身としては、なんか感覚麻痺していてですね、ちょっとビミョーな気持ちになってですね…
なんですが、本日のピッチングはそんなに……って感じ。
初回、1アウトから大城旭君にヒットを許し、古堅君は打ち取ったものの、大原君にツーベースを打たれ、これで一気にランナーが生還してエナジックが先制します。
3回表に石川君のタイムリーで同点に追いついてもらいましたが、

4回裏に田尾君内野安打→福元君進塁打→慶田盛君のタイムリーでエナジックに再度勝ち越しを許します。
で、稲葉君は4回を投げ切って降板。なんかねー、コントロールが安定してないのかわかりませんが、やけに球数が多いというか、打者一人一人に対して時間がかかっていたような気がしました。フォアボールの数は1個だけだけど、あんまりテンポも良くなかったし長いイニング持たないと判断されたのかな。でもね、時々スピードガンの数字以上にやたら速く見えるような球があった気がしたので、良いものは何か持ってるんだと思います。
一方、エナジックの先発・川邉君。

東京国際大の出身なんだね。っていうかエナジックって東京国際大の出身の選手が多いんだな。いや、東京国際大って大学スポーツにおける新興勢力だなって勝手に思ってるだけで、それだけなんですが…
立ち上がりと2回は三凡で上出来。3回に石川君のタイムリーで失点しますが、それ以外のアウトは全て空振り三振。4回には連続四球でピンチを招きますが、ゲッツー・空振り三振のコンボで完璧に凌ぎます。エナジックもかなり良いピッチャーがいるんだね。こりゃ油断ならないッスね。


6回表、川邉君は続投中。
この回先頭の冨岡君は見逃し三振に打ち取りましたが、楠君にフォアボールを与えたところでピッチャー交代。橋本君が登板します。うーん、球数のせいかな?確かに6回途中で80球オーバーはちょっと多めかなとは思うけど…
で、変わった橋本君は割と平気で147kmとかその辺の球を投げてくるタイプで、帽子を飛ばす系男子でもあるのですが、

地引君にヒットを打たれて一二塁、加藤君は三振に仕留めますが、笹川君にタイムリーを打たれて1点を返され、同点に追いつかれてしまいます。
さらに7回表、先頭の鈴木君にすないぽを与え、山口君は抑えるも、石川君にツーベースを打たれて1アウト二三塁のピンチ。ここで東京ガスは、冨岡君の代打に小野田君を起用します。ああッ!!この場面の小野田君こわいホントこわい!!(発狂)
で、案の定というか、小野田君はヒットを放ち、これでランナーが一人還って勝ち越します。しかしまだまだ東京ガスのこわい打線は続きまして、楠君は何とかショートへの内野フライに抑えますが、地引君のことは抑えきれずタイムリーを打たれてしまい、東京ガスが追加点を挙げます。
       \4点目/

…と思ったけど、実はこの仕草はそういう意味ではないらしいことを後日知りました。


終盤での勝ち越されるというのは大分絶望的ですが、今日のエナジックはめちゃくちゃ粘る。
8回裏、この回からは3番手の石田君が登板。2番手の山下君がほぼ完璧なピッチングをしていて、流れを東京ガス側に呼び寄せた感がありますので、石田君もそれに乗りたいところ。
でしたが、1アウトから大城旭君にツーベースで出塁を許し、古堅君は打ち取って2アウトまで持ち込みますが、大原君がツーベースで続いて、

これで大城旭君が生還してエナジックが1点を返します。なんとなくちょっと前に見た展開だな!
さらに二塁ランナーに代走を出し、勝負に出たエナジック。ここで田尾君がレフト方向に抜ける当たりを放ち、代走の國吉君が一気に本塁まで突入し、生還。土壇場でエナジックが同点に追いつきます。



嘘みたいだろ…?相手、去年の都市対抗の優勝チームなんだぜ…?
ここまで粘れた要因は何だろうな?その直前の8回表に、1アウトから北本君が出塁したんですが、鈴木君がバントで小フライを打ち上げたのを、サードの慶田盛君が滑り込んでキャッチし、そのまま一塁にも転送してゲッツーにしたというプレーがありまして、それで大分エナジック側が盛り上がったように見えたんですよね。守備から流れを作るとかよく言いますけど、このプレーからのエナジックの追いつきぶりを見ると、本当にそうだなと思います。


直後の9回表、この回は8回から登板している大嵩君が2イニング目に突入したところ。しかし先頭の山口君と石川君に連打を浴びて一二塁となったところで、井手君と交代させます。現地で見てた時は自信がなかったんだけど、家に帰って調べた結果、どうやらこの井手君は私が7年前に此処で見た井手君である模様。息が長いね。
井手君は怖い小野田君のことは見逃し三振に仕留めますが、楠君はヒットで続いて1アウト満塁。地引君の打席は内野安打…だと思ったら一球速報では三塁手悪送球扱いになっていた。悪送球…うーん、そうか……というわけで、この間に一人ランナーが生還して、東京ガスが勝ち越し。続く加藤君はフォアボールを選んでもう1点。途中出場の相馬君は内野ぽpに仕留めますが、北本君に走者一掃のタイムリスリーベースを食らい、さらにその北本君を鈴木君がタイムリーで還してもう1点と、9回だけで6点の猛攻となりました。いや決してエナジックは諦めた力尽きたとか、そういうアレじゃないと思うんだよ。少なくとも鈴木君のタイムリーは、飛び込んでフライアウトにしようとして、ギリギリ及ばずそれをこぼしてしまって、フェアになったような当たりだったから……1つでも失点を防いで次の攻撃に回せばまだチャンスはあると、そういう気概をエナジックは持っていたんじゃないかなと思いました。今までのイニングはそうだったからね。
その裏のエナジックの攻撃ですが、東京ガスは4番手として寺沢君が登板。さくさくと2アウトを取り、万事休すかと思いましたが、代打の今吉君がまさかの振り逃げで出塁。さらに代打の照屋君も粘った末にフォアボールを選び、本日チャンスメーカーとして2本のヒットを放っている大城旭君もヒットで続いて、2アウト満塁のチャンス。6点差あるけど、これはまだわからない。それはもう見ていて「もしかしたら」とワクワクしましたとも。もっとも、この場面で迎えた古堅君は空振り三振に抑えられてしまいましたが…
というわけで、10‐4で東京ガスが勝利しました。

点数だけ見ると東京ガスが圧勝したように感じますが、その中身は、東京ガスがエナジック相手に随分苦戦したというか、エナジックが東京ガス相手に大奮闘したというか。
勝ったチームと負けたチームの各々の得点という情報だけじゃ、その試合の本当の面白さがわかりにくいし伝わりにくいということを、この試合を通してお伝えできていれば幸いです。
もうね、見てる途中はまじでエナジックが勝ってしまうんじゃないかって妄想が止まらなくて、写真撮影が疎かになってましたね(爆)フツーに見てました。

<本日の投手リレー>
東京ガス:稲葉(4回)‐山下(3回)‐石田(1回)‐寺沢(1回)
エナジック:川邉(5回・1/3)‐橋本(1回・2/3)‐大嵩(1回・0/3)‐井手(2/3回)‐仲地(1/3回)


  • でもこれだけは言える

本当に強いチームというのは、打線の厚みが違うということ。
この厚みというのは、スタメンの9人の強さだけじゃなくて、控えの野手も含めて、ということ。ここぞという時にとっておきの代打みたいな選手を出せるチームは、須らく強いと思う。ぷろやきうで言うたらヤクルトの川端みたいな。アマチュアだと、既に引退されてしまったけど高橋ヒデさんが控えていた頃の日本生命はまじで脅威だったな。実際やられましたし……だから、個人的に小野田君をめちゃくちゃ評価してるってのもあるけど、代打で出てきた時は「小野田君いたんだった忘れてたアッー!!」って気分になりましたもんね。
でも打線って1年2年で出来上がるもんじゃないからね、選手の見極めとか育成とか諸々含めて数年ぐらいかかるんじゃないかな。だからね、難しいよね。良いピッチャーがいれば当然心強いけど、ピッチャーだけでは「負けない」けど、「勝てない」らね。