この試合で勝てば、帝京大のリーグ優勝が決まります。東海大が勝てば、来週までわからなくなります。
……という大事な試合のはずなのですが、両スタンドが全力でコールによるネタ合戦をしていて全くそういう雰囲気ではありませんでした。すき(爆)
なんかやたら両校の雰囲気が懇ろに見えましたが、共通の高校の先輩・後輩なんかがいたりしたのかな。東海大学くんいじられすぎだろ……だがそれがいい(爆)
などとふざけて言っていますが、試合内容は優勝が懸かった試合とあって、非常に質の高いものだったと思います。
スタメンはこちら。
<先攻・帝京大学>
1(三)島野
2(二)山本晃
3(中)彦坂
4(左)山本涼
5(指)山田
6(一)今﨑
7(遊)金澤
8(捕)池田
9(右)根本
(投)榮
<後攻・東海大学>
1(遊)大塚
2(三)田所
3(二)田中一
4(左)森下
5(右)植本
6(指)笹田
7(一)内藤
8(捕)柳
9(中)大前
(投)米田
両校とも、その先発以外考えられないよね。というわけでエース同士の投げ合いです。
しかし初回から点が動きます。
まず1回表、帝京大は先頭の島野君がすないぽで出塁。山本晃聖君は凡打に倒れますが、続く彦坂君が左中間へのツーベースを放ち、これで島野君が一気に生還。帝京大が先制します。
その裏、東海大は1アウトから田所君がヒットで出塁すると、田中君の打席で暴投があり二塁まで進塁。で、田中君は右中間への大きな当たりを放ちまして、これで田所君が生還。東海大は早速同点に追いつきます。
さらに続く森下君はライトへヒットを放ち、三塁ランナーが生還。東海大があっという間に勝ち越します。あっという間すぎて全然写真撮れんかった…
毎年そう思うのですが、東海大はこういう、普段のリーグ戦の中でもとりわけプレッシャーがかかりそうな試合で皆強いよね。正直最近は振るわない成績の時もあったりして、毎季優勝争いしているわけでもないと思うのですが……なのに何故強いのか、すごい興味があるんですよ。そして私にもそのプレッシャーの強さ分けてほしい。いつも仕事の打ち合わせ前吐きそうになってるから(爆)
帝京大は、1回からマウンドに皆集合。
暴投が1つあったものの、植本君・笹田君としっかり抑え、序盤のピンチを切り抜けました。
早速主導権を奪った東海大ですが、3回表、この回先頭の山本晃聖君が内野安打で出塁すると、彦坂君がツーベースを放って、ノーアウト二三塁にチャンスを拡大します。
ここで山本涼貴君が放った打球は、ファースト正面なゴロ。しかし一塁手が打球を大きく前に弾いたため、三塁ランナーを止められず、なんとかバッターランナーはアウトにしたという感じ。というわけで、この間に三塁ランナーが生還し、帝京大が同点に追いつきます。
2アウトながら、まだ三塁にランナーが残った場面で、迎えた山田君はライトへタイムリーを放ち、三塁ランナーが生還。帝京大がリードを奪い返しました。
東海大の先発・米田君ですが、過去の試合での活躍ぶりを顧みると、今日のピッチングはかなり調子が悪かったのではないかと思います。
私のイメージで喋っちゃいますが、米田君はいつもテンポもコントロールも良くて、積極的にストライクな球を投げていって、割と少ない球数でイニングを終わらせることが多い気がするんですよ。
しかし今日はストライクを取るのにも苦労していたようで、2回表では6球連続ボールなんて場面もありました。2回は無失点に抑えていましたが、結構ボール先行になることが多くて、その分投球数もかさんでいきまして、5回を投げ切った時点で100球近い球数になっていました。プロ野球なんかでも、5回で100球だと多いですねとか言われますよね…
最近の米田君はあまり無理をしないような登板をすることが多いので、5回を投げきったら降板かなーと思っていました。
と思ったら、6回も米田君は続投。ヒットを打たれたり、まだちょっと球数は多かったものの、それでも帝京大打線を抑えていっていました。いつまで投げるんだろう、と見守っているうちに、気づいたら9回になっていました。そして9回も零封で投げ切ってしまいました。
もしかして、東海大学の首脳陣の皆様は気づいてしまったのでしょうか。米田君に全部投げてもらうのが最も無難ということに…
これで引っ張りすぎて打ち込まれたとか、さらに失点を重ねたとかだったらアレですが、米田君は崩れるどころか全く点を与えず、むしろイニングを追うごとに調子を上げていっていまして、7回~8回ぐらいにはよく見る米田君の姿に戻っていました。なんだこの修正力(驚愕)
米田君が頑張ってるんだから打線も援護したいよねって感じですが、帝京大の先発・榮君も非常に良かったのです。
逆転してもらった直後の3回裏、2個のフォアボールと暴投で1アウト二三塁という大ピンチを迎えます。ここで森下君が放った打球は浅いライトフライ。東海大はここでタッチアップを敢行。内野手が捕ってもおかしくない位置のフライだったので、犠牲フライにするには浅すぎるのでは、と思いましたが、帝京大の守りもよく、ここはホームタッチアウトになり、ゲッツー成立。無事ピンチを切り抜けます。
このピンチを切り抜けてから、榮君は大幅強化されまして、相手が東海大なので、出塁を完全に封じるということはさすがに難しかったですが、それでも三塁を踏むことを許さない素晴らしい内容。あと奪三振も多かったな。4回以降、奪った三振は8つ。ちなみに3回までに奪った三振は3つだから、今日は全部で11奪三振だったのか。素晴らしいね。
初回にマウンドに集まられたりもしましたが、それ以降は8回裏の2アウトランナー二塁の場面までマウンドに皆集合することはなかったです。初回のもそうだと思うのですが、8回に集まったのも、コーチが慎重を期しての対応だったんじゃないかな。榮君に心配するような要素はほとんどなかったし、念のためって感じで。それだけ、帝京大にとってはこの試合がとても重要な位置づけだったのではないかと思いました。
そんな榮君は9回のマウンドにも立ちまして、最後のバッターを美しく空振り三振に仕留め、試合終了。
3‐2で帝京大学が勝利しました。帝京大学の春季リーグ戦の優勝が決まりました。
先行して別記事でも書きましたが、2部から1部に昇格した次のシーズンで優勝を決めたという例は、首都の歴史においてはなく、これが史上初です。
これは3アウト目を取った瞬間の写真ですが、普段帽子を飛ばさない榮君が、この場面で(私が見る限り)初めて帽子を飛ばしたってのが、非常にエモいなと思いました。予想していなかったので帽子を飛ばす瞬間は撮れませんでしたが、それだけ、この最後の1球は最も力がこもった1球だったんだろうと思います。
途中ちゃんと数えられなかったところがあるので正確ではないですが、榮君の球数は127球ぐらい、米田君の球数は156球ぐらいでした。本当にお疲れ様でした。素晴らしい試合だった。
- 写真いろいろ
私が気付いたのは8回ぐらいですが、帝京大のブルペン付近に見慣れぬシルエットを発見しました。
彼の名はてぃーぼー。
よその大学で言うめいじろうとかこくぴょんとか、造形は全く似てないのにカラーリング的に何となくおはようからおやすみまで暮らしを見つめるアレを思い出すセンディとか、そういう感じの存在だと思います、たぶん。いやこれは私が知ってる大学公式のマスコットを挙げただけですけど(爆)
越谷市民球場では、内野席を完全に覆うようにネットが張られています。なので、よく優勝時にやる、スタンドから紙テープを投げ込む的なことができません……代わりにブルペンの横というか、外野席に近いところから行いました。
監督と主将をそれぞれ胴上げ。
斎藤コーチの世話になってるてぃーぼー。
…彼の名誉のために言うと、彼は自力で動けない系のマスコットではないと思います。だってブルペンの上ら辺に飛んで行ったファールボールを拾って投げ返してるところを見たので…
そして記念撮影。
(多分)ベンチ入りできなかったメンバー達とも。
あ、これいいなぁ。この距離感、普通の球場のスタンドじゃできないもんな。やっぱ越谷を聖地にしよう(提案)
あと、集合写真で彼らが持っているユニフォームについて。
もしガイドブック通りの背番号を与えられているならば、背番号5は岸君という選手のものになると思う。今年4年生の選手で、私は……多分、見たことない選手だと思います。
実は、試合中もこの背番号5のユニフォームは帝京大ベンチの中に飾られていました。おそらく試合に出ることができない「事情」があるのだと思います。
こういうのを見ると、やはり野球ってベンチの中にいる二十何人だけのものではないのだな、と改めて思います。