ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

9/11 プロアマ交流戦 トヨタ自動車vs読売ジャイアンツ【オープン戦】

状況再現開始。
スタメンはこちら。

<先攻・トヨタ自動車
1(三)藤岡
2(遊)源田
3(二)北村
4(一)樺澤
5(左)瀧野
6(右)西潟
7(中)多木
8(捕)波方
9(指)望月
(投)富山
<後攻・読売ジャイアンツ
1(三)高橋洸
2(遊)川相
3(中)青山
4(右)アブレイユ
5(二)和田恋
6(一)芳川
7(指)田中貴
8(捕)鬼屋敷
9(左)長江
(投)田原啓

読売の先発…私がよく元倉敷オーシャンズの田原君と間違える人だ…(今回は事前に「啓」のほうは違ったはず!と覚えてたので間違えませんでした(爆))
さて、トヨタの先発は富山君。今までの公式戦では見かけたことがない名前な気がするなぁ。

まだ高卒1年目のピッチャーなんですが、そうとは思えないぐらい落ち着いて投げてましたね。若い投手にありがちなコントロールの荒さもあまり感じられなくて、5回を投げて四死球ゼロ。あと空振りを取れる球を持ってるのもいいね。トヨタ佐竹さんしかいないあまり左腕が育たないイメージなので、彼が軸の一人になってくれたら、投手力に厚みが出ると思います。
よく考えたら、先発キャッチャーの波方君も高卒1年目なんだよなぁ。三軍とはいえ、読売をしっかり抑える力と冷静さを発揮できたのは素晴らしい。これは確かに細山田さんが出るまでもないですね(※ベンチには入ってました)
そんな富山君を、打線が早速援護。2回表に何故かレフトに回された瀧野君がツーベースを放って出塁し(って一応書いておくけど、この時のライトの守備がちょっとうんこでしたね)、これを西潟君がタイムリーで返して、トヨタが1点を先制します。
さらに4回表には、この回先頭の樺澤君が粘った末にフォアボールで出塁し、瀧野君のバントを挟んだ後、またも西潟君が今度は2ランを放って、トヨタが追加点をあげます。うーん、西潟君のかち上げる感じのバッティングからの大飛球、いいですね。
挙げ句に6回表にはまた西潟君が、今度はタイムリーツーベースでダメ押しの4点目。この時点で西潟君がプロに行ってしまわないか不安になる私であった。ワイはあの、西潟君のもちもちした感じを近くで眺めていたいねん…(爆)
ちなみに6回表は、読売は桜井君が投げてたんだけど、神宮大会で見た時めちゃくちゃすごいと思ったのに、今こんなところにいるんだ…一応今年は1回だけ一軍で登板したみたいだけど、怪我でもしたのかなぁ?なんか勿体無いな。正直今日の投球を見る限り、神宮大会で見た凄さは全く感じられずに平々凡々な感じだったので、まぁしょうがないかという気もしてしまったけど…
しかし6回裏からトヨタがピッチャーを石塚君に交代した辺りから、流れがおかしくなります。まず先頭バッターにストフォアを与え、1アウトは取るも、源田君が普通のショートゴロを片手で捕りに行って捕り損ねるみたいなエラーをやらかし(源田君時々ちょっとこういう雑さがあるから、ちょっとアレ)、一三塁のピンチになりますが、ここは何とかゼロで凌ぎます。
が、7回裏に先頭バッターの芳川選手にヒットを打たれて出塁を許し、2アウトまでこぎつけますが、ここで回ってきた長江選手に2ランを打たれ、2点を返されます。まぁ石塚君は個人的に前評判がよくないので、ああハイって感じですが…
8回裏にはプロアマ交流戦なのにまさかの岩崎さんが登板。他にも若いピッチャー連れてきてるのに…しかもノーアウト二塁から青山選手に2ランを打たれて同点にされてしまいます。
私は思いました。これ完全にあの人が登板するフラグだと。そして三塁側ブルペン前を見たら……佐竹が…佐竹が投球練習をしておる…!ほんっっっとうに野球をしないとしんでしまうおじさんなんだな(爆)
というわけで、9回裏は佐竹さんが登板。

マチュア野球界日本一のピッチャーの登板に三塁側スタンドが沸きますが、どうしても私は「ここ貴方の登板する試合ちゃいますやろ」感が拭えない。しかもなんか雨がちょっと強く降ってきてるし、なんかヒット打たれるわフォアボール出すわで満塁にしてるし、2アウトだけど、迎えるバッターはアブレイユ。これあかんやつじゃないの?と思わせつつもちゃんと抑えて、試合終了。
4‐4の引き分けに終わりました。

<本日の投手リレー>
トヨタ自動車:富山(5回)‐石塚(2回)‐岩崎(1回)‐佐竹(1回)
読売ジャイアンツ:田原啓(3回)‐ガブリエル(2回)‐桜井(1回)‐高橋慎(1回)‐ウーゴ(1回)‐メンドーサ(1回)

  • 以下は本日のトヨタ自動車の試合運びについて勝手に妄想した文章なので

本日の試合内容・結果さえわかればそれでいいという方は読まなくても大丈夫です。



プロアマ交流戦というのは、アマチュア野球とプロの二軍ないし三軍が切磋琢磨し技術向上を図る機会とばかり思い込んでいたが、本日のトヨタにとっては、この試合はそうではなく、完全に「仮想日本選手権」の試合にしていたと思う。
確かに先発の富山君は経験を積ませるために出したのかもしれない。石塚君のイマイチさについては何とも言えないけど(元々いいイメージ持ってないから)、少なくとも岩崎さん・佐竹さんの登板は「日本選手権で同様のヤバい状況になった時、想定どおりに対処可能か」のテストをしていたとしか思えない。
岩崎さんは調子が悪いとか、球が衰えたから打たれたとか、そういうものではないと私は考えていて(っていうか岩崎さんが本当にそうだったら結構ショックなんだけど(爆))、青山選手に打たれた2ランは「わざと打たせた2ランじゃないか」と思った。ここで読売に同点に追いつかせるためのピッチャーは誰でもよかったと思うけど、そういう球のコントロールに最も優れているのが、現在のトヨタ投手陣の中では岩崎さんだと思っていて、それで登板したんだと思う。
そして8回に同点にされることにより、「ミスが許されない」9回の状況を作り出し、さらに佐竹さんは自ら満塁のピンチを作った。これは日本選手権を戦う上で十分ありえるシチュエーションであり、佐竹さんがどう起用されるかは不明だけど、9回同点の場面や、2アウト満塁のピンチでリリーフ登板する可能性は十分に想定される。かといって佐竹さんの投球は決して手抜きには見えなかった。但し「プロならヒットに出来るであろう」コースに球を投げてみせるコントロールも、この人なら出来るんじゃないかと思う。そして敵チームの四番(アブレイユ)を迎えてしまう場面を作り出すことに成功した。外国人だし、仮想敵としては十分な存在だったんじゃないか。
実は佐竹さんが9回に取ったアウトは、2つが三振で、残りの1つは引っ掛けたようなゴロだった。このゴロはアブレイユに打たれたものだけど、佐竹さんはアブレイユからも三振を取りに行くような決め球を投げていた。結局ボール判定されちゃって、バットに当てられてゴロアウトになったけど、佐竹さん(というかトヨタ)のシミュレーション的には3者三振でやるつもりだったんだと思う。少なくとも佐竹さんそうじゃないと満足しないんじゃないかな(爆)
よく「投手は試合を支配する」というけど、岩崎さんと佐竹さんを見る限りだと、本当にそれをやってみせてるようにしか思えない。試合は点数こそ同点だったけど、何もかもがトヨタの圧勝だと思う。考えている野球のレベルが全然違う。このチームは思いっきり日本選手権優勝を見据えている。
もっと言えば、この日は選手という名の下チームの参謀役的な役割を務めている(ように見える)福田さんがベンチにいなかった。トヨタのベンチ近くで見てると選手の声が結構聞こえるんだけど、福田さんは長年の経験を生かして相手チームを分析し、選手にアドバイスをしているらしいのをよく見かけるし、声も聞こえることがある。この日はその福田さんがいない時、選手達はどう考え、どう動くかをも学ばせたのではないか、とまで疑ってしまう(あと二葉さんや坂田さんもいなかったっぽいんだけど、坂田さんの声知らないから、福田さんっぽいことをやってるかどうかは知らない(爆)でも坂田さんは頼れる選手みたいな話は結構聞くから、福田さんと同様なチームの支柱ではないかと考えるのは容易い)
知ってたけど、トヨタの選手の意識は想像以上に高い。この意識を若い層の選手が技術力と共に上から引き継ぐことができるなら、トヨタの黄金時代が確実に来る。それなのに笑いのスキルも兼ね備えてるトヨタの選手はすごいわ。