ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

4/16 第66回JABA岡山大会・準決勝 西濃運輸vs西部ガス【公式戦】

本塁上の攻防。


スタメンはこちら。

<先攻・西濃運輸
1(右)左向
2(遊)北野
3(指)野﨑
4(三)小中
5(捕)城野
6(中)河田
7(左)修行
8(二)家田
9(一)福山
(投)吉田
<後攻・西部ガス
1(右)樋口
2(遊)永利
3(三)井手
4(左)安永
5(捕)金澤
6(遊)八木
7(指)野中
8(二)原田
9(一)正木
(投)高椋

この試合は投手戦でした。
いや、この大会の予選中1失点しかしていない西部ガスはともかく、打のイメージな西濃がこういう野球もしてくるのかってのが意外な感じがしました。
JABA大会の準決勝なだけあって、本当に互角の勝負。どちらに転がってもおかしくない内容だったと思います。序盤は西濃のほうがヒットの本数は多かったけど、これは内野手的に厳しい感じのところに飛んだ打球が内野安打になったものがやや多めだったので、やはり西濃の打力が西部ガスを押していた、と表現するのはちょっと違うかな。
西濃に比べるとややチャンスが少なかった西部ガスですが、5回裏に1アウトから金澤君・八木君の連打でチャンスを作ります。さらに野中君もヒットで続いて、これで二塁ランナーが一気にホームを狙います。しかしレフトから非常に良い返球が返ってきて、タッチアウト。

前半で試合が動くかも、と思ったのはこのぐらいかな。


前半5回が終わっても勝負は全く見えず。西濃の先発・吉田君が6回以降も続投したのに対し、西部ガスの先発・高椋君は5回を投げ切ったところで降板。継投策に入ります。
西部ガスは5回裏にチャンスは作ったものの、なかなか吉田君をマウンドから引きずり下ろすほどの攻撃はできず。

高卒4年目の選手なのか。いい投手ですね。
一方西濃の攻撃ですが、6回表を投げた2番手・岩﨑君には完璧に抑えられたものの、7回表を投げた3番手・大畑君からは1アウト一二塁のチャンスをゲット。これは得点には至りませんでしたが、少しだけ西濃に「いける」感が出てきたような気がしました。
8回表、西部ガスは4番手・林田君を投入。結構小刻みに継投してくるなぁ。
この林田君から、まず先頭の左向君がヒットで出塁すると、北野君バント。野﨑君のヒットで二塁ランナーは一気にホームを狙う。

しかしこちらも良い返球が返ってきて、本塁タッチアウト。

続く小中君もヒットで続いたため、またしても一三塁のチャンスとなりますが、城野君凡退で無得点に終わります。
ベンチに戻ってくる時、林田君は「すみません!!すみません!」とめっちゃ謝っていましたが、無失点だったのでとにかくヨシ。それと、後で林田君にはリベンジの機会が来るからな。
9回表、西部ガスは林田君に代えて山田君を起用。山田君にも西濃打線が襲い掛かる。1アウトから修行君がヒットで出塁すると、家田君はツーベースで続いて1アウト二三塁。これはもう何かしら得点が発生するだろうという場面で、回て来た福山君が放った打球は、かなり良い感じでしたがセカンドライナー。ランナーは全く動けず、そのままゲッツーに。


ライナーは運の要素もあるけど西部ガスは野手の守備も堅い。


という感じでしたので、9回で決着が着かずタイブレークに突入。西部ガスはリリーフの山田君が続投。西濃は、先発の吉田君が尚も続投します。確かに9回までの感じから、捉えられてきたとか疲れが見えるとか、そういうのはあまりなさそうでしたので、アリっちゃアリだと思いますが………私は何となく「もし監督が吉田君と同じ場面で投げてたら、10回も行こうとするだろうな」という気がしました。
10回の攻防は、両チームとも無得点。タイブレークに入った瞬間、互いの堅守が崩れるということはありませんでした。
そして11回表、西部ガスは山田君が尚も投げる。
この回先頭の小中君がヒットで出塁し、ノーアウト満塁。もう何をやっても点が入るし、西濃は何でもできる。そんな場面です。
ここで回ってきた城野君はヒッティング。レフトへのフライになります。犠牲フライにはちょっと浅いかも、と思いましたが、賭けてもよい飛距離だったと思います。
西濃の三塁ランナーは勿論タッチアップ。しかしこの時のレフト・安永君からの返球が良かった。あまりにも良すぎた。ノーバウンドで本塁に届いたのは勿論、送球はちょっぴり三塁寄りの、キャッチャー的に大分ランナーにタッチしやすい位置にきたのです。要はね、こういう感じ。

これで三塁ランナーは本塁タッチアウト。

どちらかに肩入れし見ていたつもりはないのですが、あまりにも素晴らしい返球と展開に、思わず「まじか」と声が出ました。
その後の、途中出場から打席に入っている住谷君も凡退したため、西濃は11回も無得点でした。
11回裏。西濃は吉田君が続投。10回の投球も悪くなかったし、行かせる判断は不思議ではないと思います。
しかし先頭の樋口君のバントをピッチャーが捕球するものの、悪送球になってしまいノーアウト満塁に。これまで全く守備の動きに怪しさがなかったので、急に崩れたような感じがして驚きました。
ここで西濃はついに吉田君を降ろし、2番手で森岡君が登板します。


準決勝でタイブレークでノーアウト満塁というプレッシャー半端ない場面だったと思いますが、森岡君はプレッシャーなど何のその、永利君・井手君とスムーズに抑えていきます。
2アウトを取ったところで、迎えたのは安永君。今しがた素晴らしいバックホームをした安永君です。私は何となく「好守備のブーストが来そう」と思いました。
そして安永君は投じられた1球目をライト前へ弾き返し、ついに試合の均衡が破れました。



というわけで、延長11回タイブレークの末、1‐0で西部ガスが勝利しました。

本当に息を呑むような、そんな展開の連続の試合でした。
勝ったのは西部ガスですが「西濃は何も打つばかりではない」ということが分かったのが、個人的には収穫でした。まだ2014年のイメージが強いんだなぁ。

<本日の投手リレー>
西濃運輸:吉田(10回・0/3)‐森岡(2/3回)
西部ガス:高椋(5回)‐岩﨑(1回)‐大畑(1回)‐林田(1回)‐山田(3回)


  • 九州に「枠」を

気のせいか、聞き間違いかもしれないけど。
試合が終わった後、入れ替りでHonda熊本勢が西部ガスがいた一塁ベンチ側に入ってきたのですが、「さすがや」って声をかけているのが聞こえた…気がしたんですね。
で、これは間違いなくこの目で見たのですが、クールダウン後の山田君と、Honda熊本の浜岡コーチとスタッフの方がグータッチしていました。
やっぱり同地区のチームには勝ってほしいんですかね。次の試合で相まみえることになるかもしれないとしても。