ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

5/21 首都大学野球1部春季リーグ戦・第8週 武蔵大学vs東海大学

正真正銘、最終決戦です。
この試合に勝った方が―――――リーグ5位になります。負けた方は最下位です。


昨年の今頃、この2チームで優勝争いをしていたのに、どうしてこんなことに……そんなことが十分起こり得るのが、大学野球なんだけども。


スタメンはこちら。

<先攻・武蔵大学
1(二)秋元
2(中)茂木陸
3(右)松井
4(左)松本京
5(捕)岩田
6(指)利光
7(一)大島
8(三)海沼
9(遊)片山
(投)二瓶
<後攻・東海大学
1(右)金城
2(三)森
3(二)大塚
4(一)柴田
5(中)植本
6(指)大松
7(左)鵜沼
8(捕)柳
9(遊)成瀬
(投)若山

1回表の武蔵大の攻撃。2アウトから松井君がヒットで出塁すると、完全に盗んだ二盗を決めチャンスを拡大しますが、松本君は空振り三振。若山君は早速クソ派手なガッツポーズを決める。いつものとはいえ、もう初回からクライマックスじゃん。
一方、武蔵大の先発は二瓶君。下の名前は大紋と書いて「ひろふみ」…かっこいいっすね。

過去にリリーフでは見たことあるけど、先発は初めてじゃないかな。もうこの1試合しかないし、ブルペンデー的な感じというか、総力戦で行くのかと思いました。
その立ち上がりは、先頭の金城君・森君と早速連打を食らい、一二塁のピンチ。


もう序盤から盛り上がる東海大ベンチ。
大塚君の当たりはファーストゴロ。ゲッツーコースでしたが、ヘッスラの執念が実ったか、大塚君はセーフになって、一三塁。柴田君はフォアボールで満塁。ここで迎えた植本君は犠牲フライを打ち上げ、東海大が先制。


…まだ1回裏だぞ。1回裏でこのテンションで、9回まで持つのか…(俺が)
ちなみに1回の攻撃が終わって守備につく時、植本君がスタンドからの「たくや」コールに合わせて腕を突き上げていました。かわE
さらに大松君にはフォアボールで、またも満塁のピンチとなりますが、続く鵜沼君は会心の一球で見逃し三振に打ち取りました。

二瓶君は現在2年生の選手で、昨季の登板はなし。なので今季から出場するようになった選手ですが…(おそらくリーグ戦)初先発があの東海大相手で、しかも非常に重要な意味合いを持つ試合での先発ですよ。確かにピンチは招いたし失点もしましたが、たったの1です。ようやっとる。
その二瓶君はこの1イニングだけで降板。武蔵大は2回から出口君が登板します。こうやって二瓶君に声をかけている控えの選手が何名か見受けられました。やさC

ちなみに、この写真で二瓶君に声をかけている子は髙橋君といいまして、試合出場自体はあまりないと思いますが、一塁コーチだったり、攻守の切り替えの時だったりによく声を出してチームを鼓舞している姿を見かけます。成績にはなかなか表れないけど、こういう選手は大事ですね。
んで、出口君の立ち上がりは快調に2アウトを取ります。しかし2アウトから金城君にヒットを打たれ、さらに森君へもレフト線近くへの当たりを打たれます。野手が追い付いたので、当たりはシングルヒットかな?という感じでしたが、これを左翼手ファンブルしたのを僕は見てしまいました。金城君は二塁で止まりかかっていましたが、この守備の動きを見て再スタート。一気に本塁へ突入しますが、守備が間に合い、ホームタッチアウトになります。


…松本君、なんかすごい良い仕事して帰ってきた風ですが、君のあのプレーにはエラーが付いたやで…(爆)
ちなみにここのプレー、スポナビの速報では「森のレフトへのヒットで3アウト」という意味不明な記述になっていますが、実際は上記で説明したとおりです。スポナビの速報ってぷろやきうの速報みたいに細かいプレーの内容入力できないのかな?もう天下のスポナビがスコアつけるようになったら、ワイがスコアつける必要もないわと思ったけど、そうでもなさそうだな(爆)そもそもスコアをつけるのは、試合内容をできるだけ覚えて帰れるようにってアレがあるからな……ただ見てるだけだと、覚えられないから…(衰)


その後は若山君と出口君の投げ合いが続きます。
若山君はフォアボールでちょっとランナーは許すけど、外野を綺麗に抜くような当たりはあまり許さず、投げ急いでいるのではないかと心配になるぐらいテンポも良く、こちらの方が投手として印象は良い。
一方、出口君もよく抑えていたんですが、やたらヒットを打たれていたような。何となく東海大のほうが優勢な感じがしたのは、やっぱヒットの本数だな。
5回裏。1アウトから森君がヒットで出塁。森君もう3安打目なのですがそれは。続く大塚君の当たりはショートゴロでしたが、ゲッツーは成立せずバッターランナーは生き残る。柴田君はフォアボール。あれなんか、似たような展開をさっき見たような……
ここで迎えた植本君がセンターへ抜けるヒットを放ち、これで二塁ランナーが生還。東海大が追加点をあげます。



ここで出口君は降板し、小林君が登板。まだ松崎君も残しているんだけど、経験豊富なピッチャーは後に残す戦略だったのかな。
尚も一二塁のピンチでしたが、小林君は大松君をサードゴロに打ち取り、最少失点で切り抜けます。6回裏にも2アウト三塁のピンチがありましたが、ここも空振り三振で切り抜けられていましたね。

武蔵大はアツい選手が多いけど、意外とピッチャーは冷静な子が多いような。なのでこの小林君のガッツポを見た時は「おっ」と思いました。
…なんとなくここまでヒリヒリした空気を感じるのは、単にロースコアの試合だから、ではないと思います。この試合は独特の空気があったな。


整備明け6回表。東海大は若山君がまだ続投中。
この回は1アウトから松井君がヒットで出塁すると、松本君が右中間を割るツーベースを放ちます。

これで松井君が一気に生還し、武蔵大が1点を返します。松本君は前の打席でも、もうちょい伸びたらホームランってなフェン直の当たりを放っていましたが、ロマンあるタイプの選手よな。

ここで東海大は若山君から庄司君に交代。もう今日で最後の試合だし、スパッと投手を切り替えるのは悪いことじゃないと思うんだけど、「東海大ってさぁ…」という悪い印象がちらつくのは、シーズン中ずっとこんな感じだったからなのだろう。それで結果が出ていたならともかく。
庄司君はまず迎えた岩田君を初球で打ち取り、あっさり2アウト目をゲット。ここで武蔵大は、利光君に代えて、代打の田上君を起用。田上君はこれまでリーグ戦に出場していたことがあっただろうか……な選手ですが、田上君が放った当たりはライト前へ。

これで松本君が生還し、武蔵大が同点に追いつきます!


俺が田上だ!(言いたいだけだしこちらは「たがみ」だし)
ってな感じで若山君・庄司君と打ち崩し俄然盛り上がる武蔵大。
しかし7回裏、この回先頭の森君がショートへの内野安打で出塁。ちょっと森君全然止まらんのですが…
さらに大塚君もヒットで続き一二塁。


この大塚君の表情に、この試合にかける並々ならぬ意気を感じる。
柴田君はバントの構え。ちなみに東海大はよく、ここはどう見てもバントという場面になると、かの名曲『贈る言葉』の替え歌を歌います。が、柴田君はあっという間に2ストライクとなってしまい、送りバントという空気ではなくなってしまいました。
というわけで、ヒッティングに切り替える柴田君。

さっきまでバントしようとしていた人とは思えない超フルスイング。この当たりはレフトへのヒット。これで二塁ランナーは一気に生還し、東海大が再び勝ち越し!


ここで武蔵大は、小林君から松崎君に交代。最後の切り札切った感ありますね。
この場面、植本君はバントの仕草。なんか日体大の重宮君がバントするアレを意識しているのかという気もしたけど、これまで2得点あげている植本君にバントとは、私には理解に苦しむね。
で、植本君のバントはあまりにもキャッチャー前なバント。これがキャッチャー→サード→ファーストと渡って美しいゲッツーが完成。そして大松君も打ち取って、松崎君はピンチを見事に切り抜けたのでした。
さらに松崎君は、8回も続投して2つの空振り三振を奪い、三凡で終わります。実は8回にして、武蔵大が初めてランナーを一人も許さなかったんです…
この流れに乗りたい武蔵大は、9回表に1アウトから、海沼君が何て事の無いショートゴロを打ちますが、これを遊撃手がトンネルし、出塁。この終盤でのエラーはアカンフラグやで…
続く片山君はバント。武蔵大はこのランナーを還すことに全てを賭けたのだと、私は思いましたが……スゲー冷静に考えるとさ、片山君(4年生で主将)が、秋元君(1年生)に託したってなるんですけど、それってどうなんですかね……や、片山君は今季打撃の調子がかなり悪そうなので、この作戦は決してナシではないのですが。
すると秋元君はその期待にバッチリ応える、右中間を真っ二つに割る当たりを放ち、これで全てを託したランナーが生還。武蔵大が同点に追いつきます!

ここで東海大はピッチャーを交代。内藤君が登板します。内藤君は割と平気で140km半ばを投げるようなピッチャーで、今日投げたピッチャーたちとはちょっと毛色が違ったかもしれない。茂木君はすないぽを貰いますが、松井君はファールで粘り11球投げさせるも凡退。中には何とか付いていったように見える球もあったので、ちょっと厳しかったのかも。
その裏、武蔵大は松崎君が続投。先頭の金城君は打ち取りますが、森君にヒットを打たれて出塁を許します。森君今季最終戦にして覚醒しすぎ。さらに大塚君もヒットで繋ぐ。大塚君はこれで今日3安打。代打で出てくると、東海大の解説陣が皆絶賛していた選手ですが、その理由がよくわかりました。やっぱ代打で1打席2打席見ただけじゃわかんないね。
で、ランナー一二塁の場面となりますが、柴田君は空振り三振。そして本日最も警戒すべきな植本君を迎えます。
やっぱり武蔵大バッテリーも植本君を警戒しているのか、ノースリーのカウントに。そこから1つストライクを取りますが、その次に投げた5球目、植本君が放った打球は中堅手の頭上を抜けていく。

なんか茂木君すごい前に来ていたように見えたんですが、バックホーム体制でいたのだろうか。
この当たりで、二塁ランナーが生還。






4‐3で東海大学がサヨナラ勝ちを収めました。
リーグ戦最終週・最終試合にして、東海大が勝ち点1をゲットし、5位確定です。

試合終了の挨拶が終わり、松崎君はその場に崩れ落ちました。
今日の試合は誰もせいでもあり、誰のせいでもないのだが……やはりあの場にいたから、どうしても人一倍感じるものはあるだろう。


まだだ。まだこれで終わりじゃない。
涙を流すなら、「次」の試合が終わってからだ。

<本日の投手リレー>
武蔵大学:二瓶(1回)‐出口(3回・2/3)‐小林匠(1回・1/3)‐松崎(2回・2/3)
東海大学:若山(5回・1/3)‐庄司(2回・1/3)‐山本航(1回)‐内藤圭(1/3回

…いや、非常にアツい試合であり、両チームの選手の思いも感じましたし、印象的な試合ではありましたが…………身も蓋もない言い方をしますが、これ最下位決定戦ですからね(爆)

  • いいですか

東海大がじつりきで5位になったのは、平成8年秋以来です。ちなみに令和2年秋には最下位になっていますが、これは「諸般の事情」で東海大がリーグ戦を棄権したためなのでカウントしません。まぁこの時も確か5位ぐらいの位置にいて、あと1カード残してっていう時に棄権したので、普通に試合していたとしても間違いなくBクラスではあったでしょうが。
で、東海大唯一の最下位はこの令和2年秋なのですが、これは特殊なのでカウントしないことにして、過去に5位になったのは平成元年秋と、平成8年秋、そして今回とたった3回だけなのです。
ちなみに超大目に見て4位も入れると、4位は4回ぐらいしかなったことがないです。つまり、基本Bクラスにいない・いてはいけないチームなわけですよ。っていうか優勝75回もしてるからね、そりゃあね。
だからね、こんなことで大喜びしちゃダメなんだよ、ホントは。
もし他の大学がこういう対決を経て5位になったら、よく頑張ったと言ったと思うけど、東海大に対してはそれではダメだと思います。プロで例えるなら、巨人辺りが5位でシーズンフィニッシュして、ビリじゃなかったからセーフ!っつってるようなもんです。そんなん許されないっしょ。私個人は巨人が何位だろうがどうでもいいけど(興味ゼロ)
……などと言うては見たが、ここまでうpした写真を見ての通りだと思うのですが、彼らはこの勝ちについて、勿論嬉しいとは思うけど、それ以上に安堵の気持ちが強いんじゃないのだろうか。私がウダウダ書き連ねたことは、おそらく当人である彼らが一番よくわかっているはずですから。
東海大に限った話ではありませんが、ああいう表情を見ると「彼らは普通の人間だし、普通の学生なんだよな」と改めて思います。

  • 次回予告

まだ終わりじゃない―――武蔵大にはもう1つ、本当に最後の試合がある。だから、泣くのは早い。
相手は2季連続で2部優勝を果たした城西大学。昨年の雪辱を果たすべく再びこの地に戻ってきた―――あれ今回の入替戦の会場、サーティーフォーじゃなくて等々力なの?
ところで帝京大学くんは1部に戻るまでまーだ時間かかりそうですかねー?

次回『5/27 首都大学野球春季リーグ 1部・2部入替戦 武蔵大学vs城西大学
BladeCatcherはこの土日共仕事なので、観れません…(血涙)