ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

10.9 チチャリート・翔暉凱旋興行 2AW 福島・郡山大会inビッグパレットふくしま

というわけで福島遠征です。





基本的にプロレスは首都圏において在来線で行けるところにしか行ったことがないので、プロレスのための遠征は人生で初めてです。
……いや、これは遠征です。実家に寄らず日帰りで行ったので、遠征です(真顔)

  • 試合前

今日は菊池レフェリーからのご挨拶がありました。

いつも2AWを観に行くと会長のご挨拶で始まっている気がするので、ちょっと違和感がありました。まぁ私が観に行っているのは、所謂ビッグマッチばかりなので、会長がご挨拶に出てくるんでしょう多分。ああ、会長はいなかったですが、会長の等身大パネルは会場にありました(2AWでよくある)
で、今日の会場のお客さんは今回プロレスを初めて見るという方が多そうでしたので、菊池レフェリーから「どうやって勝負が決まるか」という簡単なルールと、プロレスの楽しみ方について簡単なレクチャーがありました。例えば選手がピンチで、ロープエスケープしようと頑張っている時には拍手したり名前を呼んだりして応援しましょうとか、選手が悪いことしてたらブーイングしましょうとか、そういう感じの内容です。ちなみに会場の練習とはいえ、一心にブーイングを食らった菊池レフェリーは割とダメージを食らっていたようでした。ブーイングは人間のハートに効く(真理)
…といっても、今の2AWには明らかな悪い人=ヒールレスラーやユニットはいないから、ブーイングの使いどころってないんじゃないかなぁと思っていたのですが…

  • 第1試合:シングルマッチ ○ナカ・シュウマ(9分16秒 逆エビ固め→ギブアップ)●脇田真一朗

コーナーが割と綺麗に撮れそうな席でしたので、このような見返り美人的な写真が撮れました。

脇田は最近2AWに入団したレスラーですね。「プロレス実験団GUYZBRAVES、2AWの3団体所属」って公式の選手名鑑では書いてありますが、こういうゆるめなところがインディープロレスならでは感があります(爆)あんま詳しくないけど、GUYZは正直かなりどインディーだと思いますが…
年齢・キャリア共にナカ・シュウマのほうが下のはずだけど、全体的にナカ・シュウマが「上」として脇田の壁になっているような感じ。ナカ・シュウマは顔面かきむしりとかラフな戦法も使ってきますが、技術的に普通に上ですね。それに脇田が苦戦しつつも反撃を試みる、みたいなのが大まかな流れ。

ナカ・シュウマが逆エビ固めで厳しく攻めるところを脇田がロープエスケープで逃げるという、プロレス的にはよくあるシーンですが、今しがた菊池レフェリーと練習した成果をすぐに出せたのが良かったですね。大技はボディスラムぐらいしかなく、試合の構成としては地味ですが、第1試合として「プロレスはこういう感じなんや」ってのは掴みやすかったんじゃないでしょうか。
試合は、執拗な逆エビ固めに脇田がついにタップし、ナカ・シュウマが勝利しました。


  • 第2試合:タッグマッチ 超人勇者Gヴァリオン&○吉野コータロー(9分23秒 空中胴締め落とし)リッキー・フジ&●旭志織

リッキーさん「邪魔だ小僧!(リング外にヴァリオンを投げる)」
ヴァリオン「言うほど小僧じゃないっす…」
吹いてしまった(爆)
リッキーさんからしたら小僧かもしれないけど、ヴァリオンもアラフィフなのよね。

  • 第3試合:タッグマッチ ○仁木琢郎&真霜拳號(10分33秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め)●最上九&笹村あやめ

あやめちゃんの新しい衣装初めて見たけど、これ可愛すぎん?

「郡山初めてだから出たい!」と先発を買って出るあやめちゃん。最上のリアクションに器のデカさを感じました。2AWの最上とEREのツッコミ最上は別人。
そして「ましもけんご、かかってこーい!」と真霜を挑発。こんな可愛いあやめちゃんと、強面な真霜との対決ですよ。


力や高さでは敵いませんが、




手や足を踏んで真霜を攻撃するあやめちゃん。いくら鍛えてる真霜でも手や足を踏まれたら痛い。かしこい。他にも脛への低空ドロップキックを放ったり、体格のハンデをピンポイントな箇所の攻撃で埋めるという実に頭脳的な戦法を見せていました。
しかしこれは真霜の怒りを買ってしまったわけで、髪を掴まれて攻撃されます。



髪を掴むと反則カウントを取られますので、右手と左手で交互にあやめちゃんの髪を掴んで回避する真霜。なんだよプロレスのルールガバガバじゃねえかよ(知ってた)
あやめちゃんはこの場面を噛みつき攻撃で脱出。真霜だって噛まれたら痛い。


ちょっと今日のあやめちゃん可愛すぎて、この時点で試合開始2~3分しか経ってないのに、ワタシ5回ぐらい死にました(爆)
最上と交代しようとするとクッソこわいおじさんが追いかけてくる恐怖。


真霜さんただの悪人じゃないですかねこれ…何故ブーイングが起きなかったんですかね…(爆)
だってこの表情とかもう、悪人やん。


誘拐。
…ではなくて、自軍コーナーで攻撃するやつですね。

こはちゃんとプロレスしてるな(爆)
あと何気にあやめちゃんはパワーがありますので、このパンチ?とか「ゴッ」って音が響いていました。

でまぁ何やかんやありましたが、試合は仁木のマッドスプラッシュで最上から3カウントを奪います。一方その頃二人は場外でもやり合っていました。

真霜とあやめちゃんの戦いはゴングが鳴った後も続き……というか、あやめちゃんが真霜を挑発しまくり、キレた真霜があやめちゃんに襲い掛かっていました。あやめちゃんは爆速で逃げ、二人は出口へと消えていきました……真霜さん完全にお笑いキャラになってるじゃないですか。(爆)

  • 第4試合:○本田アユム&CHANGO(フリー)(10分30秒 ディ・レンマ)梶トマト(飯伏プロレス研究所)&●滝澤大志

梶が入場時踊るのはいつものこととして、滝澤まで踊るとは予想外だったぜ。しかもコスチュームも揃えてきてたぜ。昔は全然乗り気じゃなかったのに(爆)

後で知ったことですが、この二人はかつて団体トップレベルのタッグチームであったようです。そりゃ今も尚息が合うわけで。

試合は梶と、「福島出身の俺が行きます!」ってことでCHANGO兄さんが先発。選手名鑑によると、CHANGO兄さんのご出身は福島県河沼郡とのことですが、会津坂下町のご出身とコールされていました。あーあの辺のご出身なのかと思いました。ところで「会津坂下町」を一発で正しく読めるかどうかで福島県民か、福島に詳しいかどうか判別できますよね…
ゴングが鳴って、まずはロックアップ……というところでスカしてハイテンションするいつもの梶。

これを西・南・東側の3方向に対しやって満足すると、CHANGO兄さんおこ。

北側のお客さんにもやれよ!お客さんはお前のハイテンションを見に来たんだぞ!」的なことを言いつつ「ロックアップ付き合ってやるから!」と梶を煽るCHANGO兄さん。そして北側のお客さんにもハイテンションする梶。

と、


その隙を突いて丸め込むCHANGO兄さん。まぁそんなことだろうと思ってました(爆)
この試合は、コンビネーション抜群なタッグ同士の戦いということで、かなり多彩な動きが見れた試合だったと思います。
BUG'S MUTATIONの二人は言わずもがな、良いコンビネーションで滝澤の腕を集中攻撃していました。
んで、家事と滝澤はというと、このような合体技がありまして。

これが、

こうなって、

こうなる。

…一番ダメージを受けていたのは滝澤だったような気がしましたが(爆)
何やかんやありましたが、試合はCHANGO兄さんと本田の連携技のディ・レンマで……えーとね、この技すごい説明が難しいんだよな(爆)一瞬だったのでちょっとうろ覚えですが……相手・本田・CHANGO兄さんの順に重なっていて、①CHANGO兄さんがローリングクラッチホールドの要領で本田を丸め込むような動きをする→②その勢いで本田が相手を投げるというか丸め込むというか→③よくわからない→④本田がオクラホマロールのような何かで相手をフォール……みたいな。すまん、これは1回見て完全に理解できる技ではない(爆)いやまぁ見たらすごいの絶対すぐにわかるんだけどさ。
これには滝澤も「嘘!?」という感じでして、「負けちゃったよ~。゚゚(´□`。)°゚。」と言いながらリングを去っていきました。不覚にも可愛いと思ってしまったわ…(爆)
で、勝利したCHANGO兄さんと本田には、勝利者賞として郡山ブラックラーメンが贈呈されました。……何その、別な地域の名物のパクリみたいなの…私初めて聞いたのですが。
しかしレポを書きながら写真を見返しましたが、この試合は第1試合~第3試合とは大分毛色が異なる、動きが多くスピード感のある試合でしたね。ルチャみたいな動きはこれまでの試合ではなかったからな。
思えば、パワーのメインとの対比ってのでも良かったかも。

これは「福島、ただいまー!」と叫んでフランケンシュタイナーを決めるところのCHANGO兄さんです。
会津に縁のある選手も多いし、郡山だけじゃなく会津でも興行打ってもいいと思うんだぜ。CHANGO兄さんはフリーの選手なので、2AWの興行としてやるのはちと違うのかもしれないけど…

本日のメインです。
福島出身の3人には沢山の紙テープが投げ入れられました。
まず若松。

花見。

仁木が写り込んでますが、一生懸命紙テープ回収してたのでしょうがないね。
ほんでチチャリート君。やはり一番紙テープの量が多かっただろうか。

試合の話をする前に………実はこんなことがありました。
2aw.blog.jp
網膜剥離は1~2週間で治るような怪我じゃないし、目(というか頭部のパーツ全般に言えることだけど)は非常に大事な部位ですから、凱旋興行が決まったとはいえさすがに出れないのでは……でも主役不在の凱旋興行ってどうなんだ、というわけで、そもそもこの興行についての動向が気になっていました。
そして下された結論は、
2aw.blog.jp
この大会だけは出て、予定されている他の大会とそれ以降はしばらくお休み、ということでした。


そうは言うがな、相手の3人は全員当たり強い系だし、こういう興行って主役が勝利するのが最も美しい〆だけど、満身創痍なチチャリート君がこの中の誰かからフォールを奪うのは厳しいのでは…
と思っていたら、やはりというか、吉田に3カウントを奪われてしまいました。
今日観に来たお客さんって、各選手の「格」みたいなのってご存じなんだろうか。例えば吉田が前2AW無差別級のベルト保持者で、団体トップクラスに強いとか…

試合後「俺が勝ったから俺のマイクで締める」と吉田が言うと、会場はブーイング。これに吉田若干フリーズ。
いや確かに、冒頭で菊池レフェリーにブーイングを教わりはしたけどさ、吉田も言ってたけど「俺悪いことしてへんで?」ラフファイトを使わず、力でねじ伏せた。チチャリート君を攻めつつ、チチャリート君の逆水平を受け止めたシーンを再三見せたじゃないか。








当たりは強かったけど皆クリーンファイトだったわよ(グーパンから目を背けつつ)
それに菊池レフェリーは「悪いことした選手がいたらブーイングをしろ」と言ったのであって、自分の思った通りのシナリオにならなかったからブーイングするのは違うやで。
とはいえ、吉田も会場のお客さんの気持ちや、この興行の理想的な姿はきちんと理解していまして、〆を任せると、チチャリート君にマイクを預けたのでした。
だいたいさ、こんな感じでチチャリート君のマイクを聞いていて、

こんなことポストしてる人が悪人なわけがないのよな。
それと、吉田は過去の試合でも非常にチチャリート君をリスペクトした発言をしているので、この言葉が「今日のためだけの飾った言葉ではない」というのもよくわかる。
参考:
bladecatcher.hatenadiary.jp
…そろそろチチャリート君の話をするか。
この興行ですが、実は今年の2月頃という非常に早い段階から決まっていました。私がこの大会のチケットを抑えたのも、実は3.26のタイミングででした。3.26……レポ書いてないですけど見ていました…
確かにチチャリート君は新進気鋭の若手レスラーではありますが、そんな選手を主役に据えた凱旋興行ってちょっと早すぎるのではないか、だったら他にももっとそういう興行を催すべきレスラーがいるんじゃないか、という気持ちもありました。
けどどうしても郡山で、ビッグパレットふくしまで大会を開催したいという気持ちが、チチャリート君にはあったようです。
その理由は……色々あったようですが、あんまり事細かに書くとアレなのでふわっと書きますが、大事な人を亡くしたりして、自分が頑張る姿を地元の人に見せたい、という思いが非常に強かったからであるようです。それと、ご本人も言うてますが
でも、その皆を「興行を開催させたい」って方向に動かしたのは、チチャリート君の思いとかそのための動きとか人徳とか、そういうのもあったんじゃないかな。このチチャリート君のために大会を開きたい、それでいて成功させたいって。チチャリート君は大きなものを失ったかもしれないが、実は大きなものも得ている。その証拠が、この大会の入り様と、あの会場の熱気なのではないかな。
怪我とか、人生の色々とかあって、心身が辛いこともあると思います。今現在も辛いのかもしれない。でも、チチャリート君は「歩みを止めたくない」と言っていました。チチャリート・翔暉というプロレスラーとしても、「チチャリート・翔暉の中の人」としても……この時チチャリート君は本名を明かしていまして、要は一人の人間としても強くなりたいみたいな話だったのですが、基本的に本名非公開の2AWなので、ここに本名を書くなどという無粋なことはせず、私の心の中にしまっておきたいので、こんなわかりにくい表現になっています。ご容赦ください。


という感じのチチャリート君の言葉で、大会は〆。
チチャリート君は組んでくれた福島出身の二人に感謝を述べる。勿論二人も最大級の礼で応える。



地方は違うけど、県的には花見と若松が帰ってきた大会と言ってもいいはずですが、二人は自分の役目をやりつつ、チチャリート君をサポートしていたように見えました。
あとこのタイミングで、リング上で直接何か言ったり仕草をしていたわけではないけど、実は試合中、ついさっき試合を終えたばかりの本田とCHANGO兄さんがセコンドに駆け付けていました。

そして、相手の3人にもお礼を言うチチャリート君。プロレスは、相手がいなきゃ成り立たないからね。



プロレスによくある「正義の味方が悪い奴をやっつける」も悪くないんだけど、やっぱ個人的にはこういうスポーツライクなのがええんよ。なので非常に爽やかなフィナーレだったと思います。


観客数は290人。これを多いと感じるかどうかは人それぞれですが、会場で見ていた感覚としてはほぼ満席でした。急遽増席したとも聞きましたので、少なくとも試合への関心の高さはうかがえると思います。
ちなみに、3.26後楽園ホールの観客数は325人とのことでしたので、千葉のローカルインディー団体が、地元から見たら結構離れた場所にある福島で、しかも交通の便が要お車なクッソ悪いところなのに、*1これだけ呼べたというのは相当すごいことだと思います。個人的には大成功だと思います。
目標の郡山での大会開催は出来たけど、その郡山大会で勝つというのが達成できていませんので、もう1度郡山大会を開くのが、次なる目標になるでしょう。チチャリート君もその辺は意欲的でしたし。
ちなみに、結構凱旋興行をやっている先輩*2が実はいるのですが、
郡山大会が恒例になるといいなぁ。


あ、そうだ。ちょっと写真に写っていますが、実は今日のメインの試合では特別リングアナとして、FCTの井上千沙アナウンサーがコール役を務めていました。プロレスファン歴10年だそうです。
でも軽く調べたけど、この大会について県内のニュースや新聞で触れられてるっぽい情報は見つからなかったな。確かにTV局やメディアっぽい人は見かけなかったが……他所の地方のローカルインディー団体とはいえおらが村の選手がいるんだぞ取材しろよ(憤怒)
そういう、県内メディアなんかにも取り上げられるようになったらいいなぁ。

*1:これを見て田舎の公共交通網の弱さに恐れおののくといい。ちなみに安積永盛駅からは徒歩20分ぐらいかるぞ。→https://www.big-palette.jp/access/timetable.html

*2:山形の戸沢村の出身らしいよ。だからリングネームがそういうアレなのですが…