ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

12.18 映画『俺たち文化系プロレスDDT』を鑑賞してきた


別にプロレスファンだから観に行ったわけではない。
たまたま中野近辺に映画館がないかを探した結果、偶然この映画の存在を発見してしまったのである。
映画の内容も、正直興味がなかった。DDTの裏側的なものは様々な媒体で摘んできたので、今更おさらいするまでもない。
ただ、どうしてもプヲタとして見たいと思ったものがあった。

「鑑賞前の煽りパワポ」(約7分)上映あり

煽りパワポとは、プロレスラーがマイクでよく対戦相手を挑発したり何だりするアレを、パワーポイントで実現したパフォーマンスです。
ちょっと何言ってるかわからないという方は、以下の動画をご覧ください。プレゼン経験がある方なら絶対に笑えると思います。

以下は感想です。ネタバレを含みます。
ドキュメンタリー映画にネタバレも何も…という気もするけれども。

予告どおり、鑑賞前に煽りパワポ…のさらに前に、舞台挨拶があったのですが。
「ゲストはスーパー・ササダンゴ・マシンさん、大家健さん……………失礼しました。……マッスル坂井さん、大家健さんです」
舞台挨拶から既にやらかしている辺りDDTらしいというか何と言うか。これすらも台本ではないかと疑ってしまう。
挨拶の内容は超簡単に言うと、
坂井「心拍数を一定にする薬飲んでるからテンション上がらない(※坂井は心臓の疾患がある)」
大家「俺も血圧下げる薬飲んでるけどテンション上げてるんだからお前も頑張れ(ササダンゴマスクを差し出す)」
そして煽りパワポこと、あらすじ解説。全てのスライドをうpするのは忍びないしだれるので(そもそも全ページ撮影できなかった)、簡単に。








という内容。要は、業界の大御所・新日本プロレス相手に弱小インディープロレス団体(と自称したいんだろうな)のDDTが頑張ったよ、というドキュメンタリー内容。2015年8月23日の両国大会から、2015年11月17日の試合の間の新日本プロレスDDTの抗争(?)を舞台にしている。
ちなみにこの抗争当時私はプロレスを全く見ていなかったので、この時のプロレス界の動きは全く存じないので、その上での感想であることを承知いただきたい。
・臨場感あるカメラワークはいいんだけど、正直酔ってしまって、途中で気持ち悪くなってしまった。そういう人には向いてないかもしれない。
・彼らは「イタい大人」を自称しているけど、一般人から見てイタいのではなく、ヲタから見てイタいという印象を受けた。ヲタを自称する俺カッコイイと言っているヲタを見ている気分だった。
DDTというおかしなプロレス団体だからこんな舞台裏が見える、というわけではないと思う。インディープロレスの舞台裏は大体こんな感じなんじゃないだろうか。DDTのプロレスの方向性が独特なだけで。
・どうせならば棚橋弘至の舞台裏というか、リングを降りた後の姿もしっかり撮ってくれればよかったのに、と思う。版権的な問題で難しいのかもしれないけど、当時の棚橋の心境も理解して、初めて11.17の舞台が表も裏も完成して、この映画が成り立ったのではないかと思う。DDT側の「やりきった」感だけにクライマックスの焦点が当たってたのが消化不良なのかも。
・↑自己満映画っぽいし(上映前に自虐的にそんな感じのことを言ってたし)、それでいいのかもね、彼らの考える作品としては。
・映画だけ見ると「なんか棚橋というか、新日本プロレスの機嫌を取ってるなぁ」と深読みしてしまってだな。
・↑映画だけ見て「これDDTファンは満足してるの?いいようにやられたんじゃないの?」と思ったけど、公式の試合レポを見る限りではファンも満足してたようだから、いいか。棚橋は約束を叶えてくれなかったけど(丁度今年の夏に怪我したから仕方ないね)
・ある人が「DDTはマニア向けのプロレスに走っていて、ライト層の開拓をしていない」と評価していた理由がなんかわかった。
・↑っていうか、ライト層の開拓をする余裕があるプロレス団体は新日本プロレスだけな気がする。K-DOJOみたいな地域密着型の団体なんかは、ライト層の開拓とはちょっと似て非なる動きをしていると思うけど。
・↑↑なのでDDTのプロレスは「ウケる人には物凄くウケる。しかしウケない人に対しては金の無駄遣いとかいう次元を超えてスベる」プロレスだと思う。同じことは、みちのくプロレス宇宙大戦争にも言えると思う…と、先日観戦してきて思った(※あまりのカオスぶりに文章にまとめられずにいます)
・日本のプロレス文化をここに集約していいのか?「こういうプロレスもあるよ」程度に留まってくれたほうがいいような…
・そんなことより、棚橋と共にDDTのリングに上がった小松洋平という選手の動きがすごい良くて、上映中そればかり気になっていた。HARASHIMAの蒼魔刀を切り返して逆エビ固めに持っていく流れは非常に鮮やかだった。
・↑これを気に新日本を観に……と思ったけど、彼は現在海外武者修行中の身だそうなので、残念ながら今はお目にかかることはできなそう。どうやらマスクマン志望のようなので、もし小松が日本から帰ってきても気づけないかもしれない。
・この映画で一番印象に残ってる点を挙げろ、と言われたら「小松選手の動き」と真っ先に答えるレベルなので、もしかしたら1年〜半年の間の良かった試合の総集編とかやったほうがウケがいいというか、プロレスの魅力を伝えやすいんじゃないかと思った。
ポレポレ東中野価格なのかもしれないけど、1700円はちょっと高いわー。レディースデーで『ファンタスティック・ビースト』を観に行ったほうが、映画鑑賞としては絶対に充実する(※『ファンタスティック・ビースト』、非常にいい映画でした。ラストは絶対ニヤッとする)