ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

9/16 首都大学野球1部秋季リーグ・第3週 日本体育大学vs筑波大学

今日も暑いけど2試合ならいける、と思って遥々来ました、土浦。
前週でこのカードは1勝1敗になりましたので、本日は第3戦のカード。
昨今の首都大学野球で圧倒的な強さを見せる日本体育大学に土をつけた筑波大。もし今日勝ち点を取ったら、優勝に向けてかなり大きい1点となりそうです。


スタメンはこちら。

<先攻・日本体育大学
1(二)松浦
2(右)中妻
3(指)門馬
4(左)酒井成
5(中)本間
6(三)南
7(一)重宮
8(捕)山下
9(遊)小吹
(投)箱山優
<後攻・筑波大学
1(中)石毛
2(二)永戸
3(一)米田
4(捕)西浦
5(三)生島
6(指)田代
7(遊)宮澤
8(右)中村真
9(左)川上
(投)村上

筑波大の先発はエース・村上君。

2回戦にて先発し日体大に勝利し、今日に臨んだわけですが、その勢いそのままのように、立ち上がりは三凡で完璧。
2回もテンポよく抑えますが、3回表。この回1アウトから、山下君を相手にフルカウントの状態。ここで20秒ルールにより、ボールカウントが1つ増えたため、フォアボールとなります。珍しい場面……というか、これまで現地観戦して、20秒ルールがこんなに分かりやすく試合に影響を与えたところを初めて見ました。いつも「あー時間経っちゃったねー」ぐらいでしか捉えていなかったので。
続いて迎えた小吹君は、ショートへのゴロな当たり、逆シングルになる難しそうな当たりでしたが、これを宮澤君が好捕。二塁フォースアウトを狙いましたが、セーフの判定になります。私の位置からは同時ぐらいに見えたから、かなり惜しい感じでしたね。
で、松浦君の当たりは進塁打となり、2アウト二三塁。ここで中妻君が放った打球も、先程の小吹君の当たりに似た難しい打球。しかしこれも宮澤君が好捕し、一塁へ送球。だが走者は、俊足に定評のある中妻君!判定はセーフ!


ちょっと村上君がガクってなってたので、グラウンドから見たらセーフにも見えるプレーだったのかもしれません。この間に三塁ランナーが生還し、日本体育大学が先制します。20秒ルールのアレから、村上君的には不運というかイレギュラーが続いた感じですね。
その後、尚もランナー三塁の場面。門馬君の打席で中妻君が牽制に引っかかり、一二塁間に挟まれます。この間に三塁ランナーはホームを陥れに行きますが、ボールを持っていた一塁手の米田君が早くに気づいて、本塁へ送球。これがアウトになり3アウトチェンジ。2週間ぐらい前に筑波大が同様のプレーをして得点していましたが、自分が使う手に逆に嵌らないのは立派。「自分らがやるんだから相手もやるだろう」みたいなのが頭にあるのかもしれないね。
しかしピンチになったり失点したりしたのはこのぐらいで、それ以降のイニングは順調に日体大打線を抑える村上君。散発でヒットを打たれたりしたけど、フォアボールは全くなく危なげなし。ホント、3回だけちょっと調子狂っちゃったかな、と言うだけでした。


一方、一体台の先発は箱山君。

今季から先発を担当するようで、第1週から先発で投げています。筑波大との対戦では、1回戦で先発していて、7回を無失点に抑えて勝っています。まぁ1回戦は箱山君の調子以前に、筑波大の投手陣が悉く爆発炎上したという内容だったみたいなのでアレですが…
こちらも立ち上がりは非常に良く、三凡に抑えましたが、2回裏には1アウトから生島君・田代君と連打を食らいピンチに陥りますが、続く宮澤君・中村君と抑えてピンチを脱します。3回裏も三凡で抑えていましたので、2回のアレは「気のせい」だと思っていました。
しかし4回裏、2アウトから生島君の当たりはショートへのゴロでしたが、これを遊撃手が弾いて後逸。記録はヒットになったけど大分エラーっぽい当たりだったぞ?
ここに田代君が左中間ら辺へのツーベースで続き、2アウトながら二三塁とチャンス拡大。



ベンチから何か言われたのか、若干の戸惑いを見せながらポーズを決める田代君。普段見る限り田代君は、あまり叫んだり派手なガッツポーズをしたりするタイプではなさそうです。
さらに宮澤君はフォアボールを選び満塁。ここで筑波大は、中村君に代えて松永君を起用。確かに前の打席の中村君は、全然合ってない系の空振り三振ではあったけど、動くの早いな。
ところが、松永君への2球目が暴投となり、これでランナーが一人還って、筑波大が同点に追いつきます。そういう展開はちょっと予想外だったなぁ。
で、3‐1のカウントから、松永君の放った当たりは右中間を真っ二つに割るようなツーベースヒットになりまして、これでランナー二人が生還。筑波大が勝ち越します。


さらに5回裏、この回は石毛君がレフト線近くへの技アリな当たりで二塁まで進み、永戸君はピッチャーゴロ。バスターエンドランだったようで下手したらゲッツーな当たりでしたが、石毛君は無事でした。で、米田君凡退。西浦君はフォアボールで繋ぎ、生島君に打順が回ったところで、箱山君は降板。今日の生島君にはヒットを打たれたりしていますので、それで代えたのかな。にしても、抑えとしては絶対的だと思っていた箱山君でしたが……今日見た感じは「普通の先発ピッチャー」という感じでしたので、先発としてはまだまだ、直したり伸ばしたりしなきゃいけないところがあるのではないかと思います。
代わって登板したのは馬場君。

強烈な違和感を覚えてしまったのは、OBの馬場捕手のせいですね。しょうがないね。
しかし馬場君は生島君にヒットを許し、これで二塁の石毛君は一気に本塁へ生還。筑波大が追加点をあげます。



馬場君は5回を投げ切って降板し、6回裏からは篠原君が登板します。先頭の宮沢君は見逃し三振に打ち取りますが、代打から守備についた松永君にツーベースでの出塁を許します。松永君、今日のラッキーボーイ感あるな。ちなみに松永君は、春にも代打とかでちょっと見かけたような気がしますが、実は1年生の選手ですので、これから大いに期待できる選手です。

ところで日大三島のご出身らしいけど、日大三島って最近何かで聞いたような気がするな………まぁいいや(高校野球については雑)
で、続く川上君は見事に意表を突いたセーフティバントで、一三塁とチャンス拡大。暴投で二三塁にランナーが詰まりましたが、ここで石毛君がきっちり犠牲フライを放ち、筑波大が5点目をゲットしました。


筑波大の先発。村上君は7回を投げ切って降板。球数が90球を超えていたので、それで降板したのかな。
で、8回表から2番手で登板したのは国本君。そういえば2回戦は、この村上→国本リレーで勝利を収めていました。
最初に迎えるは、小吹君への代打・古滝君。漢字だと全く印象が違って見えますが、現地だと「こぶき」と「こたき」って聞き分けにくくて、最初気づかなかったりすることが多いです。
それはさておき、古滝君の打球はショートへのゴロでしたが、遊撃手がファンブルし出塁。宮澤君にしては珍しいプレーなような気がします。
で、松浦君の当たりは進塁打。中妻君はヒットで一三塁のにチャンス拡大。迎えた門馬君は、レフト線へのヒットを放ちます。


これね、フォームも打球もすごく綺麗だったの。シャッター押しながら「あっ、美しい」ってわかったレベル。なので動かします(爆)

で、長打コースへ飛んだ当たりで古滝君は勿論、俊足の中妻君も一気に生還。日体大が2点を返します。

続く酒井君の当たりはショートゴロで、三塁フォースアウトになり、2アウト一塁と場面が変わります。
ここで迎えた本間君はファールで粘りを見せ、放った打球は一二塁間を抜けようかという当たり。しかしこれを永戸君抑える!が、一塁への送球が悪送球となりまして、一塁ファールゾーンへ送球が転がる間にランナーはそれぞれ二三塁へ進塁。日体大には足遅い人いないんだから、こうなると思ったよりも先の塁へと行かれてしまいます……永戸君なぁ、今日もう1個エラーしてるし、エラーではないけどやや怪しいプレーもあったりして、ちょっと雑いなとおもうことがあります。
で、二三塁のピンチの場面で南君を迎えますが、これを空振り三振に仕留め、筑波大はこの回何とか2失点止まりとします。


なんか8回表に色々ありましたが……スタンドの雰囲気を見ていて、ちょっと思うところがありました。
実は今日、日体大スタンドにはブラバンやチアが来ていませんでした。3回戦だし、何せ場所が土浦なのでしょうがないね。
なので、今日は普段とは少し雰囲気が違う日体大スタンドでした。雰囲気が違うと言っても、いつもやる応援をやらないだけで、大学野球によくある感じの応援をしていたってだけです。声はめちゃめちゃ出てたし、いつもどおり元気いっぱいでした。
そんで7回裏、筑波大は日体大が普段やる応援をパk口ラッパでオマージュしたんです。日体大のあのいつもの応援、何故か知らないですけど、ブラバンがいないと基本やらないんですよね。そもそも日体大で、ブラバンが来ないことってほとんどないのですが……こういう時、普段見れない応援のスタイルを見れるのは楽しいですが、いつものが聴けないと、ちょっぴり寂しくもあります。
で、そんな時に筑波大がアクションを起こしたわけですよ。そしたら8回表にですね、本家はこうやるんだぞと見せつけるように、いつもの応援をやってくれたんです。演奏はないですが、脳内再生余裕でした。そしたらグラウンド上の日体大の選手たちもそれに乗って勢いづいてきたように、先述した攻撃をしてきてですね……だから、やっぱり応援の力って大事だなぁと思ったんです。あと、日体大と筑波大は仲が良いのだなと思いました。いや実際は知らんですが……この2校でほぼ首都の中継回してますし、コミュニケーションは多く取ってそうではありますよね。


まぁそんなことはありましたが、9回表も国本君は登板します。9回表は難なく抑えていました。8回は応援の件もあったし、日体大だもの、前回と同じピッチャー・同じ手では易々と抑えられんということで…

この試合は5‐3で筑波大学が勝利し、勝ち点をゲットしました。

大きな1勝ですね。

<本日の投手リレー>
日本体育大学:箱山優(4回・2/3)‐馬場(1/3回)‐篠原(3回)
筑波大学:村上(7回)‐国本(2回)


  • 猛虎魂を感じる

確か4回裏に松永君のタイムリーで筑波大が勝ち越したタイミングだったと思いますが、筑波大は効果を歌いました。大学野球で、得点時に効果を歌うのは割とよくあることだと思います。
続けて、六甲おろしを歌いました。筑波大向けに替え歌するでもなく、フツーに『阪神タイガース』と言ってしまっていました。
この後、席を立った時に筑波大生とすれ違ったのですが、その時に誰かが「六甲おろし気持ちよかった。何回でもやりたい」と言っていました。筑波大から熱い猛虎魂を感じました。
その後、日体大スタンドでも阪神のチャンテ(?)をやっていたようで、こちらも思いっきり『阪神タイガース』と言ってしまっていました。日体大から熱い猛虎魂を感じました。
優勝決めて2日しか経ってないからね、しょうがないね。

  • 「合戦」という言葉に惑わされてはならぬ

試合自体も面白かったんですが、それに加えて両チームのスタンドが実に楽しそうに応援していたこと、そこはかとなく応援というアクションを通じてコミュニケーションを取っているように見えたのが非常に印象的でして、「彼らは野球そのものを楽しんでいる」と思いました。勿論彼らはおふざけ一辺倒なわけではなく、時に「今日絶対勝てよ!」という檄も飛んだりして、勝負に臨んでいる気持ちも当然持っています。まぁ真剣勝負の中にもユーモアがあったほうがいいよね、と個人的には思います。ユーモアは、ある種の大人の余裕ですよ。
ところで、両チームの応援が飛び交うのを「応援合戦」という言葉で表現されたりしますが、合戦とは言うけど、私はあれはある意味「冗談を言い合える、気心の知れた者同士のちょっとした戯れ」なのではないかと思います。今もやっているのか知らないけど、東京六大学でも互いの持ち曲を演奏したり歌ったりするでしょ。ああいうのです。
逆に気心の知れぬ者同士で、互いにロクに意味の通じない大声を出し合ったら、そりゃあ喧嘩にもなるでしょう。あまり親しくない人に冗談言ったら通じなくてガチギレされるみたいな、そんな感じ。
もしかしたらこういうのは、大学野球やそのリーグという狭いコミュニティだから成立できることなのかもしれないけどね(ごく稀に社会人でも見ますが、彼らは大人ですからな…!)