ぶれいどきゃっちゃー

社会人野球が好きな人が見たり聞いたり考えたりしたことを書いています。

11/7 横浜市長杯争奪・第18回関東地区大学野球選手権大会 上武大学vs日本体育大学【公式戦】

首都キラー。


スタメンはこちら。

<先攻・上武大学
1(一)鈴木
2(右)門叶
3(遊)島村
4(指)小山
5(捕)進藤
6(左)藤原
7(二)後藤
8(三)村田
9(中)石澤
(投)加藤
<後攻・日本体育大学
1(二)松浦
2(中)本間
3(右)南
4(指)門馬
5(左)松本佳
6(三)三木
7(一)相澤
8(遊)小吹
9(捕)田邊
(投)矢澤

日体大の先発は勿論矢澤君です。
が、その立ち上がり。先頭鈴木君に初球すないぽ。鈴木君は右バッターなのですが、そのインコース辺りを狙おうとして、足に当たっちゃったような感じかな。
続く門叶君(最初読めなかった。栂野と同じアレなんだね)には、これまた初球を今度は頭部にすないぽ。避けようとしたけど間に合わず後頭部に思いっきり当たってしまったように見えました。この回は臨時代走が送られましたが、この後門叶君は攻守ともフルイニングで出場していたので大丈夫そうです。首の辺りを気にして回す仕草をしていたのが、ちょっと心配でしたが…(他競技の影響)
矢澤君の立ち上がりが悪いのはいつものことだし、或る日の中継で聞いた日体大の解説の話からして、日体大としても認知済みなのだと思いますが……これまで結構矢澤君の試合を見たけど、トップクラスに荒れてたんじゃなかろうか。矢澤君は横浜市長杯に「投手として」出場するのは初めてなので*1何かこう、ちょっと違うプレッシャーがあったんですかね。他大学ですが山内君も、初めて出た時はかなり荒れてたし。
で、続く島村君はバントで二三塁。小山君はファールで粘った末にフォアボールで満塁。進藤君(実は「しんどう」ではないと知って衝撃を受ける)は見逃し三振に倒れますが、藤原君の打球は割と普通のサードゴロ。しかしこれを三塁手ファンブルし、この間にランナーが一人生還して上武大が1点を先制。日体大は今季、サードのレギュラーを固めきれなかった感じに見えたんですが、その穴を突かれてしまったような感じがしました。
後藤君は空振り三振に抑え、日体大の立ち上がりは1失点と最小に留めましたが、ここまで色々書きましたが上武大はノーヒットで1点を取っています…

一方、上武大の先発・加藤君。

3年前の大会から、上武大では加藤という選手が結構投げているようなのですが、全部同じ加藤君なのかな?だとしたら経験豊富な投手って感じですね。
その立ち上がりは荒れてはいないように見えましたが、1アウトから本間君・南君に連打を許し一三塁。ここで迎えた門馬君は初球を打ち上げてしまい、ファールゾーンで二塁手が捕球。この当たりで三塁にいた本間君はタッチアップを敢行。成功し犠牲フライとなり、日体大が早速同点に追いつきます。
ルール上このタッチアップは全然アリなんですが、二塁手が結構遠くまで追いかけていて、それも後ろ向きで捕っていたこともあって、いける!と判断したんでしょうね。こういう走塁意識みたいなものは、日体大は本当にいつも高いというか。
立ち上がりは色々ありましたが、その後両先発とも本来の調子を取り戻し、2回~4回までは好投が続きました。


5回表、この回1アウトから鈴木君がツーベースで出塁すると、門叶君の当たりは大きくライト方向へ上がるフライ。そのままライトへスタンドインし、2ランホームランで上武大が勝ち越し。

多分これJ Sportsのカメラだと思いますが、バッチリ撮れましたか?
続く島村君もヒットで続き、小山君の当たりはあともうちょっと上だったらスタンドインというような、フェンス直撃の大きなツーベース。これで島村君が生還し、上武大がもう1点をゲット。
ちなみに上武大スタンドは、多分あれポータブルスピーカー的なものだと思うのですが(対岸から見てカラフルに点灯しているスピーカーみたいなのが見えたんですよ)、そこから大音量でこの曲を流していました。個人的にはメガホンの音が大きかったので聞き取りにくかったけど、あのリズムはこれでもう間違いないと思うのですが…
www.youtube.com
道理で打ちそうな気がしてならなかったわけだ。っていうか小山君来年この曲がスタンドから流れるどっかの社会人野球のチームに行くんと違います?(爆)あまりにも似合いすぎて…
これで矢澤君は降板。いやぁ、矢澤君KOって1シーズンにあるかないかなんだけどね…コントロールはさておき、あまりこう、打ち込まれるっていうのが少ないピッチャーだと思うんだけどね…
で、代わったのは相馬君。しかしその初球を進藤君が待ってましたとばかりに振り抜き、レフトへ巨大な弧を描きスタンドイン。中段ぐらいまで飛んだんじゃないかな。で、またも2ランで上武大がもう2点をゲット。


いやホンマに、パワー!って感じの当たりだったと思います。
その後、藤原君もヒットで続き、後藤君バント、村田君フォアボール。石澤君は打ち取りますが、まだ2アウト。打者一巡して鈴木君に戻ってきたところで、日体大はピッチャーをまた交代。箱山君を投入します。他にこういう場面を抑えられそうなピッチャーがいないんだなと悟ってしまいました。箱山君は期待に応えて(?)鈴木君を空振り三振に仕留めました。
その後、箱山君は9回2アウトまでずっと投げ続けました。途中3つの四死球を出してはいましたが、それでも上武大をノーヒットに抑えていました。今季の箱山君の成績ってちょっと尋常じゃなかったけど(後述)ようやっとりました。藤原君にスリーベースを打たれて降板しましたが、後の勝本君が抑えてくれたので、今回自責ゼロとなりました。


一方上武大ですが、加藤君は5回を投げ切って降板。63球ぐらいしか投げてないんだけど、後の試合を見据えたのかな。
6回から、上武大は井出君が登板。

1年生の選手ですが、今季のリーグ戦では一番イニング数を投げており勝ち頭でもある。
1イニング目は日体大は見事に三凡でやられましたが、2イニング目の7回裏、1アウトから門馬君が内野安打で出塁。松本君は空振り三振に倒れますが、三木君がツーベースで続いて、二三塁のチャンス。ここで相澤君ではなく、代打に森田君を起用。しかし見逃し三振に倒れ、井出君の勝ち。

この写真は、後ろに写っている一塁手の鈴木君もガッツポーズをしているのがエモいと思うのですわ(適当に若者言葉を使う)
その後、上武大は紫藤君、新谷君とピッチャーを繋げて日体大打線を零封。いや正直、誰のことも崩せる気がしなかった。8回裏に松浦君がフォアボールで出塁してさ、自慢の俊足で盗塁もしてみせてたけどさ、あれ上武大は全く警戒してなかったというか、意に介してなかったように見えたんだよね。2アウトだったからなんだろうけどさ。いつもの戦い方だったらああいうので揺さぶりをかけて崩していくのだが………何だろうな、この差は。
というわけで、6‐1で上武大が勝利しました。

<本日の投手リレー>
上武大学:加藤(5回)‐井手(2回)‐紫藤(1回)‐新谷(1回)
日本体育大学:矢澤(4回・1/3)‐相馬(1/3回)‐箱山優(3回)‐勝本(1/3回)


  • “弱い”ってことはもっと強くなれるって事やん

この試合を観た後の感想……あの試合を観た後の感覚によく似ていました。
bladecatcher.hatenadiary.jp
普段首都のリーグ戦を見ていて、別なチームを推しているのですが(首都はどのチームも好きですが…)、いつも日体大は強いなぁ、なかなか勝てないなぁと思っていました。
その日体大が、上武大にこんなにも簡単に粉砕されたというのが衝撃でした。
これが「いや日体大がこの程度なら他のチームが出たほうがワンチャンあった」とか思えたらまだしも、上武大のあの打力は、正直首都のどのチームも持っていないものだと感じました。少なくとも今季1部に、あれだけの打力を持つチームはいないでしょう。首都なら武蔵大も打撃に定評がありますけど、あれとはちょっと違うんですよ。ちょっとイケてる形容詞が思いつかないのでアレですが、上武大の打線は、私が普段セガサミーを見ている時に感じるそれとほぼ一緒だと思ったんです。まぁセガサミーって上武大OB結構多いし、ある意味間違ってないよね(爆)
なので、あれでは首都勢はこの大会では勝ち上がれない、もっと強くならなければ、と思いました。
だからと言って長打力をつけろとか、そういうことを言いたいんじゃないんですよね。そりゃあ長打とか、ホームランをいっぱい打てた方が良いに越したことはないでしょうけど、それがなければ絶対に勝てない、というわけでもないはずなんで。
何にしても少なくとも今のままでは力不足。あの上武大の強さに対抗しうるためにどうすべきか……考えていかないとなぁ。まぁ私は完全に部外者なので妄想に耽るだけなんですけども(爆)

  • ここで過去の上武大の首都勢との対戦成績を見てみましょう

横浜市長杯は割と歴史の浅い大会なので、簡単に全部追えます。

この辺の連敗のせいで、上武大が強すぎるってイメージが刷り込まれている気がしますね。
ところでこの16回大会なんだけどさ。上武大の先発の吉野って、多分トヨタの吉野君だよね。ここで投げ合った二人が、後に同じチームになるとは、不思議なものね。

あれなんか勝ててる(爆)あーこの時は山崎君がいたのか。原田君もいるし、それなら強いな。

上武大は寺沢君と山下君のリレー。そりゃ強いな。
ちなみに、12回大会はもう1つあって。

この試合、準決勝は観に行ったんですよね。
bladecatcher.hatenadiary.jp
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横浜市長杯で肝なのは準決勝なんで。っていうか当時のレポを読んで、上武大戦で腹筋が死んだのを思い出しました(爆)
で、決勝戦は延長12回の末桜美林が勝ったと。この時の桜美林の皆、すごい強かったもんなぁ。選手一人一人が印象深い。
他、12回大会では青島君が完全試合してたりと、何かとネタが多い大会でした。

何この試合どうしたの(爆)

この大会は各連盟3位まで出場していたようです。節目の大会だから枠多めにしたんだろうか。神宮大会の枠は変わらず2枠だけど(爆)
この試合はハマスタ開催だけど、第1試合は保土ヶ谷やスカスタで並行して行われたみたいです。アマチュアというか、大社でスカスタ使うのって結構レアな気がするなぁ。パッと思いつくのは神奈川一武闘会ぐらいだけど。

長打の情報しか見てないけど、この時の上武大強すぎない?と思ってしまったのは、この面々が社会人でも活躍したのを把握しているからです。
ピッチャーは……フッ…

    • 8回大会:上武大の出場なし
    • 7回大会:上武大の出場なし

この時は白鷗大と山梨学院大が出場したみたいです。上武大を押しのけるほど山梨学院が強かった時代あったのか…と確認したところ、この時のエースは高梨という、現在ヤクルトにいてる選手でした。そりゃ強いな。

両チームのバッテリー共に何者かわかったのでなんか興奮した(爆)

それより城西大が出場しているほうが気になってしまった。今となっては城西大がリーグ戦で横浜市長杯に進めるほど勝ち上がるのは難しくなってしまったが……ちなみに城西大の那須って選手は、確かNTT東日本でマネージャーやってた那須君だったと思います。

    • 2回大会:対戦なし
    • 1回大会:上武大の出場なし



…以上より、今大会の分も加えて、上武大の対首都勢対戦成績は通算7勝4敗となりました。あれなんか思ったよりも一方的じゃなかったなぁ。
で、このうち上武大に勝ったことがあるのは東海大桜美林大だけで、東海大は3勝しています。っていうか大体首都の代表としてここに出るのって、東海大とどこか、みたいなパターンが殆どなんですよね。東海大が出てないのって、2回・13回・16回・そして今回の4回だけなのか。第2回は、各連盟の枠が1つしかなかったからアレですが(この時東海大は2位だったんだけどね)
というわけなので、東海大はもっと頑張りましょう。いやこれ調べることに一生懸命すぎて、あんまり〆の言葉とか全然考えてなかったんで(爆)

  • お前の成績おかしいよ…(いい意味で)

箱山君の最終成績はこちらになります。

日体大って今季12試合やってるんですが……ほぼ毎試合登板してこれは本当にすごい。
失点はエラーによるものなので、今季は自責ゼロ。確かリーグ戦には今季から出場しているので、デビュー以来未だ自責点がない…ということになると思う。
この日の試合も無失点で終わったので、箱山君の無傷伝説は来年まで続くことになります。あ、エラーの失点で負けがついてしまったので「無敗」とは違います。

  • 物足りなさMAX

やっぱ上武大の試合はさぁ、スタンドの応援がないと!と思いました。ホントに魅力激減です。試合を見ろよって感じですが、スタンドの応援があることによって上武大の魅力は300%ぐらいまで引き延ばされると私は思うんですよね。
スピーカー(と思われるもの)を持ち込んだりして、できる範囲の中でやろうという意気は感じましたが……試合前に、おそらく全国のどの大学にも負けない声量で歌う校歌を聴かないと、上武大の試合に来たという感じがしませんね。あれに圧倒されて、上武大の試合に来たという気になりたいわけです。

一番好きなのはアラジンチャンスなんだよね……あまり流れないけど。

*1:日体大自体は2年前に横浜市長杯に出ていますが、野手として出場したものの投手としての出番はなかったようです。当時は𠮷高君とか森君とかもいてたしなぁ。